ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Mary Nichols の “The Summer House”

昨日、家に帰ってから Mary Nichols の人気小説、"The Summer House" を読みおえたのだが、レビューを書く時間は取れなかった。何とか思い出しながら書いてみよう。The Summer House作者: Mary Nichols出版社/メーカー: Allison & Busby発売日: 2012/09/15メ…

“The Summer House”雑感(4)

この週末も仕事に追われ、本書に取りかかったのは今日の午後から。もう終盤近くなので、粗筋はいっさい書けない。 Katherine Webb の "The Legacy" に触発されて読みはじめた本書だが、これは正直言って、あちらほどの出来ばえではない。内容的にも、今日の…

“The Summer House”雑感(3)

師走が近づいてきた。職場も繁忙期に入り、今週はなかなか落ちついて本を読む時間が取れない。おまけに勤労感謝の日は、10年以上も昔に退職した尊敬する大先輩の通夜とあって、すっかり気が滅入ってしまった。というわけで、もっぱら通勤読書の日々が続き、…

“The Summer House”雑感(2)  

この土日は案の定、仕事と雑用に追われ、読書にほとんど時間が割けなかった。というわけで今日から仕切り直し、通勤の電車とバスの中で本書の続きを読みはじめた。ほんとうは今年のコスタ賞(Costa Book Awards)のショートリストや(http://www.costabookaw…

“The Summer House”雑感(1)

小説好きの知り合いのオーストラリア人に、David Mitchell の新作("The Thousand Autumns of Jacob de Zoet")はなかなかいいよ、と教えてあげたら、彼は勘違いして旧作("Number 9 Dream")を購入。その後、「どうだった」と感想を尋ねたところ、なんと最…

2010年全米図書賞発表(2010 National Book Awards)

今年の全米図書賞(National Book Awards)が発表され、小説部門では Jaimy Gordon の "Lord of Misrule" が栄冠に輝いた。Lord of Misrule作者: Jaimy Gordon出版社/メーカー: McPherson & Co発売日: 2010/11/30メディア: ハードカバー クリック: 8回この商…

Katherine Webb の “The Legacy”(2)

「たとえば夏の日盛り、木陰で読めば至福のひとときを過ごせるだろう」と昨日のレビューにも書いたとおり、これは絶好の夏読書向きの本だ。たしか7、8月頃、しばらくアマゾンUKのベストセラー・リストに載っているのを見かけ、魅力的な表紙から内容を想像…

Katherine Webb の “The Legacy”(1)

この夏以来の宿題だった Katherine Webb のベストセラー小説、"The Legacy" をやっと読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。The Legacy作者: Katherine Webb出版社/メーカー: Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd )発売日: 2010/06/…

“The Legacy”雑感(4)

この土日で片づけようと思っていたが何かと雑用に追われ、今日の午後になってやっと取りかかった。それでも何とか終盤に差しかかり、もう粗筋を書けないところまで読み進んでしまった。 そこで今日は本書のジャンルについて。あまり意味のない「考察」である…

“The Legacy”雑感(3)

ようやく中盤にたどり着いた。が、まだ事件らしい事件は起きていない、と言うか、つまびらかにされていない。つまり、かなりゆっくりしたペースで物語が進行しているわけだが、そのわりに退屈しない。それどころか、ぼくの貴重な読書タイムである通勤途中が…

2010年ギラー賞発表(2010 Scotiabank Giller Prize)

今日は久しぶりに落語を聞きに行った。演目は立川談幸の「ねずみ」と柳亭燕路の「火焔太鼓」。どちらもなかなか面白かった。家に帰ってネットを検索したところ、今年のギラー賞が発表されているのを発見。Johanna Skibsrud の "The Sentimentalists" という…

“The Legacy”雑感(2)

やっと2回目の雑感を書いてもいいほど読み進んだ。これは期待どおり、とても面白い! つい先月まで夏以降、ブッカー賞の候補作ばかり読んでいたが、それはほとんどもうペイパーバックで読めるという単純な理由があったからで、ぼくはべつにいつも高踏派、ゲ…

“The Legacy”雑感(1)

残念ながら挫折した "I Hotel" の代わりに、今日から Katherine Webb の "The Legacy" に取りかかった。これはもう6月ごろからずっと読みたかった本で、そのころはアマゾンUKのフィクション部門ベストセラー・リストに名を連ねていたが、今調べると載ってい…

“I Hotel”雑感

今週は今年の全米図書賞候補作のひとつ、Karen Tei Yamashita の "I Hotel" をボチボチ読みつづけ、今日も午後から取り組んでいたのだが、今話題の尖閣諸島の話が出てきたあたりで、最初から萎え気味だった読書意欲がさらに減退。一向に乗れないのでもうあき…

Paul Auster の “Sunset Park”(2)

ぼくはべつにポール・オースターの熱心なファンというわけでもないが、アマゾンUKの新刊ニュースで彼の新作が出ることを知り、ふだんはペイパーバック・リーダーのくせに食指が動き、日本のアマゾンに予約注文していたら、どういうわけか正式な発売日以前に…

Paul Auster の “Sunset Park”(1)

昨日、家に帰ってから Paul Auster の新作 "Sunset Park" を読みおえたのだが、レビューを書く時間は取れなかった。何とか思い出しながら書いてみよう。Sunset Park作者: Paul Auster出版社/メーカー: Henry Holt & Co発売日: 2010/11/09メディア: ハードカ…