2019-01-01から1年間の記事一覧
世間はきのうで仕事納めという人も多いだろう。ぼくもいちおう休暇中なのだけど、自分で企画した仕事をかかえている。このところ午前中にノルマをこなし、それから家の大掃除という毎日だ。おかげで、Loius-Ferdinand Céline の "Journey to the End of the …
仕事が一段落ついたので、先週末、愛媛の田舎に帰省していた。ぼくのふるさと宇和島市にある中町(なかのちょう)教会の前を通りかかると、たまたまクリスマスを祝う会のまっ最中。教会付属の鶴城(かくじょう)幼稚園の園児たちの歌声が聞こえてきた。 もう…
きのうの記事を書いたあと、多忙につき遅れに遅れていた Don Delillo の "Underworld" をやっと読了。1997年の全米図書賞、および全米批評家協会賞の最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。 Underworld 作者:Don DeLillo 出版社/メーカー: Scri…
テンプで戻った勤務先が今年最後の繁忙期。この1週間は、ほんとに忙しかった。おかげで活字を目にしてもすぐに眠くなり、寝床で読んでいる『ツバキ文具店』など、ひと晩2、3ページ(でも面白い)。通勤時に持ち運んでいて腕が疲れる超大作 "Underworld" …
その昔、「短編小説は閃光の人生」という秀逸なキャッチコピーがあった、と本書のレビューに書いたけれど、それは懐かしい〈フィーリング小説集〉のコピー。同シリーズの代表作はたぶん『ゲイルズバーグの春を愛す』だろう。いまでも単行本は現役なのかな。 …
いつ読みはじめたのかも憶えていない Don Delillo の "Underworld"(1997)は、やっと中盤を過ぎたところ。Eisenstein 監督作品 "Unterwelt" が話題になり(p.424)、そのテーマがどうやら the contradictions of being .... the mutilated yearning, the in…
この英訳版は2008年に刊行されたものだが、いつ、どんなきっかけで手に入れたのかも憶えていない。"Night Train to Lisbon" って、いいタイトルだなと思ったのか、それとも、ロマンティックなカバー写真に惹かれたのか。どちらにしても、ぼくはいつも内容を…
師走が近づいてきて、テンプのぼくもそれなりに忙しくなってきた。おかげで、というか毎度のことだけど、いま読んでいる本もなかなか進まない。Don Delillo のご存じ超大作 "Underworld"(1997)である。 え、あんたまだ読んでなかったの、と嗤われそうだが…
2002年のブッカー賞最終候補作、Rohinton Mistry の "Family Matters"(2002)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Family Matters 作者: Rohinton Mistry 出版社/メーカー: Emblem Editions 発売日: 2003/02/25 メディア: ペーパーバック この商品を…
2週間ほど前にわが家から忽然と消えたヘアートリートメントと電気ひげ剃りだが、相変わらず出てこない。7日の記事に書いた消失の状況をドラ娘に電話で説明したところ、どうやらホラ話ではなさそうだけど、でもね、と半信半疑のようす。日常空間のブラック…
きのう今年の全米図書賞最終候補作、Kali Fajardo-Anstine の "Sabrina & Corina"(2019)を読了。Fajardo-Anstine はデンヴァー在住の新人作家で、本書は彼女の第一短編集である。さっそくレビューを書いておこう。 SABRINA & CORINA 作者:KALI FAJARDO-ANS…
今年の全米図書賞最終候補作、Julia Phillips の "Disappearing Earth"(2019)を読了。彼女はブルックリン在住の新人作家で、本書はデビュー作。さっそくレビューを書いておこう。 DISAPPEARING EARTH 作者: JULIA PHILLIPS 出版社/メーカー: Knopf 発売日:…
わが家で奇怪な事件が起こった。ぼくのヘアートリートメントと電気ひげ剃りが忽然と消えてしまったのだ。ひげ剃りにいたっては前夜に使ったばかり。それに気づく前、髪を洗ってからヘアートリートメントを使おうと思ったら、三日ほど前に戻しておいた位置に…
スイスの作家で哲学者 Pascal Mercier の世界的なベストセラー、"Night Train to Lisbon"(原作2004、英訳2008)を読了。本書は2013年、ビレ・アウグスト監督によって映画化。日本でも2014年、『リスボンに誘われて』という邦題で公開されている。さっそくレ…
今週は絶不調。熱はまあ下がったものの、投薬を続けているせいか倦怠感があり、血圧もやや高い。大ごとでなければいいのだけど、亡父が最初の脳梗塞で倒れた年齢に近づきつつあるのが気になる。 いまボチボチ読んでいるのは、スイスの作家 Pascal Mercier の…
トルコのノーベル賞作家、Orhan Pamuk の "A Strangeness in My Mind"(原作2014、英訳2015)を読了。2016年のブッカー国際賞最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。 A Strangeness in my Mind: A novel (Vintage International) (English Edit…
このところの冷え込みで風邪をひいてしまい、きょうは寝床のなかで Orhan Pamuk の "A Strangeness in My Mind"(原作2014、英訳2015)を読んでいた。2016年のブッカー国際賞最終候補作である。 途中評価としては、☆☆☆★★に★をひとつオマケしようかどうか、と…
本日、今年のブッカー賞が発表され、Bernardine Evaristo の "Girl, Woman, Other" と、Margaret Atwood の "The Testaments" の2作が栄冠に輝いた。Atwood は2000年の "The Blind Assassin"(☆☆☆☆)以来2度目の受賞。2作品が同時に受賞したのは1992年以…
今年のブッカー賞最終候補作、Chigozie Obioma の "An Orchestra of Minorities"(2019)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 An Orchestra of Minorities: Shortlisted for the Booker Prize 2019 作者: Chigozie Obioma 出版社/メーカー: Little, Br…
ゆうべ、今年のブッカー賞最終候補作、Elif Shafak の "10 Minutes, 38 Seconds in This Strange World"(2019)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 10 Minutes 38 Seconds in this Strange World 作者: Elif Shafak 出版社/メーカー: Viking 発売日:…
ゆうべ今年のブッカー賞最終候補作、Bernardine Evaristo の "Girl, Woman, Other"(2019)を読了。現地ファンのあいだでは、ショートリストの発表時からずっと1番人気。ひょっとすると、このままゴールインするかもしれない勢いだ。さっそくレビューを書い…
今週は予定どおり、Bernardine Evaristo の "Girl, Woman, Other"(2019)を読んでいる。先々週だったか、ちょっとだけ試読。先週 Margaret Atwood の "The Testaments"(2019 ☆☆☆★★)に乗り換えたあと、改めて最初からじっくり Evaristo のほうに取りかかっ…
今年のブッカー賞最終候補作、Margaret Atwood の "The Testamantes"(2019)を読了。ご存じ "The Handmaid's Tale"(1985 ☆☆☆☆)の続編である。さっそくレビューを書いておこう。 The Testaments: The Sequel to The Handmaid’s Tale 作者: Margaret Atwood…
先週末まで、Bernardine Evaristo の "Girl, Woman, Other" をボチボチ読んでいた。Margaret Atwood の "The Testaments" が届かないのでしびれを切らしたからだが、同書は日曜日にやっと到着。パラパラめくり、すぐに乗り換えた。 "Girl, Woman, Other" の…
予約注文していた Margaret Atwood の "The Testaments" がまだ手元に届かない。かの "The Handmaid's Tale"(1985 ☆☆☆☆)の続編とあって、話題性という点では今年のブッカー賞候補作のなかで断トツと思われるのだけど、発売日は今月10日。それなのに英米ア…
きのう、今年のブッカー賞最終候補作、Salman Rushdie の "Quichotte"(2019)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Quichotte 作者: Salman Rushdie 出版社/メーカー: Jonathan Cape 発売日: 2019/08/29 メディア: ペーパーバック この商品を含むブロ…
今週初め、Patrick Modiano の "Sundays in August"(1986)に取りかかった。冒頭は、主人公の中年男がニースで旧知の男と再会する場面。二人は昔、同じ一人の女を愛していたが、今では二人とも女と縁が切れている。 と、どうやらそんな話らしいとわかったと…
愛媛の田舎から帰ると飛び込みの仕事があり、今週はその処理に追われてしまった。テンプながら宮仕えのつらいところだ。 おかげでブッカー賞ショートリストのチェックも遅れたが、なぜか現地ファンのあいだで有力視されていた Max Porter の "Lanny"(2019)…
きのうまた仕事の山をひとつ越えた。おかげで年末、それどころか、来年1月までの目途も立った。テンプで復職した勤務先とは来年3月までの契約だが、仕事は実質1月で終了するので、気分的にはもう〈終わりの始まり〉。ってことで、あしたから安心して愛媛…
前々回、こんどのフランス旅行で今年のハイライトはおしまい、と書いた。帰国して平凡な日々が再開してみると、いまは実際、「days after」という感が強い。去年の春のハワイ旅行では、そういうこともなかったのに。 ハイライトといえば、やむを得ぬ事情で復…