ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Susan Choi の “Trust Exercise”(1)

イギリスに発注した "Real Life" が手元に届くまで、場つなぎに Susan Choi の "Trust Exercise" を読んでいた。その後しばらく中断していたがボチボチまた読みはじめ、数日前にやっと読了。ご存じ2019年の全米図書賞受賞作である。なかなかレビューを書く気…

Brandon Taylor の “Real Life”(2)

やっとブッカー賞の季節が終わった。ぼくは今回、春先に Hilary Mantel の "The Mirror & The Light"(2020 ☆☆☆★★)を読んだあと、ショートリストの発表まで高みの見物。おなじブッカー賞でも、過去の受賞作や候補作を catch up していた。 もう昔のように、…

2020年ブッカー賞発表とぼくのランキング

本日早朝(ロンドン時間19日)、ブッカー賞の受賞作が発表され、現地ファンの下馬評どおり、Douglas Stuart の "Shuggie Bain"(2020)が栄冠に輝いた。ぼくもいちおう本命に推していた作品なので、この結果に不満はない。 受賞理由は未読だが、どのエピソー…

Tsitsi Dangarembga の “This Mournable Body”(2)と今年のブッカー賞予想

いよいよブッカー賞の発表が迫ってきた(ロンドン時間19日)。ぼくは最終候補作全6作のうち、表題作もふくめ、なんとか5作読了。あと1冊、Diane Cook の "The New Wilderness"(2020)を読み残しているが、これは現地ファンの下馬評ではいちばん人気薄。…

Brandon Taylor の “Real Life”(1)

前回ふれた事情でイギリスに priority 便で注文した Brandon Taylor の "Real Life"(2020)が予想外に早く到着(さすが旧大英帝国!)。おかげで、てっきり17日とばかり思い込んでいたブッカー賞の発表(ロンドン時間19日)前に、なんとか読みおえることが…

Colson Whitehead の “The Nickel Boys”(1)

さる7日、某大手通販会社からのメールに驚いたひともけっこういるのではないか。今年のブッカー賞最終候補作のひとつ、"Real Life" のペイパーバック版が今月初めに日本でも発売され、7日までに到着という運びになっていた。ところが同日、なんの理由説明…

David Constantine の “Tea at the Midland and Other Stories”(1)

途切れ途切れに読んでいた David Constantine の "Tea at the Midland and Other Stories"(2012)をやっと読了。2013年のフランク・オコナー国際短編賞の受賞作である。さっそくレビューを書いておこう。 Tea at the Midland: And Other Stories 作者:Const…

Tsitsi Dangarembga の “This Mournable Body”(1)

予定より大幅に遅れてしまったが、なんとか Tsitsi Dangarembga の "This Mournable Body"(2018)を読みおえた。今年のブッカー賞最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。 This Mournable Body: SHORTLISTED FOR THE BOOKER PRIZE 2020 作者:Da…