ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Virginia Woolf の “To the Lighthouse”(1)

Virginia Woolf の "To the Lighthouse"(1927)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Modern Classics To the Lighthouse (Penguin Modern Classics) 作者:Woolf, Virginia 発売日: 2000/10/31 メディア: ペーパーバック [☆☆☆☆★] 灯台の光は、姿は時々…

George Orwell の “Homage to Catalonia”(2)

レビューでまとめきれなかったことは山ほどある。あまりに多すぎて、それをひとつひとつ拾っていくと、いつまで続くか知れたものではない。 そこで思い切って、Orwell の現代性という点についてのみ補足することにした。それも今回は些末な問題だけ。 たとえ…

George Orwell の “Homage to Catalonia”(1)

きのう、George Orwell の "Homage to Catalonia"(1938)を読了。使用した text は Penguin Books 版(1977年刊)で、続編 "Looking Back on Spanish War"(1943)もふくまれる。さっそくレビューを書いておこう。 Homage to Catalonia (Penguin Modern Cla…

"Homage to Catalonia" 雑感

ぼくは洋書を読むとき、いつもメモをとることにしている。いわゆる5W1Hを基本に、そのほか気のついたことはなんでも書き留める。そうしないとすぐに忘れてしまうからだ。 メモ用紙はB5の裏紙(表は宮仕え時代に使用)を4つ折りにしたもの。これに3色のボー…

Joseph Boyden の “The Orenda”(2)

さる12月、2018年のギラー賞最終候補作で、ファン投票では1位だった Eric Dupont の "Songs for the Cold of Heart"(☆☆☆★★)を読んでいたら、Hannah Arendt の "The Origins of Totalitarianism" の話が出てきた。ああ、そういえばこの名著も未読だったな…

Joseph Boyden の “The Orenda”(1)

ゆうべ、2013年のギラー賞一次候補作、Joseph Boyden の "The Orenda" を読了。Shadow Giller Prize という現地カナダのファン投票では1位を獲得した作品である。さっそくレビューを書いておこう。 The Orenda 作者:Boyden, Joseph 発売日: 2014/04/03 メデ…

"The Orenda" 雑感

寝床のなかで読んでいる『蜜蜂と遠雷』はあと少し。世評どおりとても面白い。相変わらず恩田陸の筆力、表現力に圧倒されている。が、ちょっと引っかかる箇所があった。 まず、「ファンタジック」という言葉(文庫版・上 p.377)。これが fantastic の誤用で…

Charles Yu の “Interior Chinatown”(2)

きょうは仕事始め、ならぬ読書始め。ほんとうはぜひ、若いころ途中まで読んだ George Orwell の "Homage to Catalonia" を、と思っていたのだけど、年末にちょっとかじった Joseph Boyden の "The Orenda"(2013)が気になり、ボチボチまた読みはじめたとこ…