ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Michael Chabon の “The Amazing Adventures of Kavalier & Clay”(1)

数日前、Michael Chabon の "The Amazing Adventures of Kavalier & Clay"(2000)を読みおえたのだが、体調その他、諸般の事情でブログを更新する時間がなかなか取れなかった。ご存じ2001年のピューリツァー賞受賞作である。はて、どんなレビューになります…

Marguerite Yourcenar の “Memoirs of Hadrian”(2)

"To the Lighthouse" のつぎに表題作を読もうと思ったのも、きっかけはほんの偶然だった。洋書は著者のアルファベット順に書棚に並べているので、Woolf, Virginia のすぐ隣りが Yourcenar, Marguerite だからだ。"Oriental Tales"(1938)も気になったけど、…

Halldór Laxness の “Independent People”(1)

きのう、アイスランドのノーベル賞作家、Halldór Laxness の "Independent People" を読了。アイスランド語原書の第一部は1934年刊、第二部は1935年刊。英訳合冊版は1946年刊で、Laxness は1955年にノーベル賞を受賞。さっそくレビューを書いておこう。 Inde…

Virginia Woolf の “To the Lighthouse”(2)

Virginia Woolf のことはすっかり忘れていた。書棚に何冊か作品が飾ってあるだけで、いままで手に取ったこともほとんどなかった。 それどころか、ぼくのまわりで Woolf が話題にのぼることは、学生時代からいちどもなかったような気がする。先生方、先輩、友…

Marguerite Yourcenar の “Memoirs of Hadrian”(1)

きのう、Marguerite Yourcenar の "Memoirs of Hadrian"(1951)を読了。仏語からの英訳版である。さっそくレビューを書いておこう。 Modern Classics Memoirs of Hadrian (Penguin Modern Classics) 作者:Yourcenar, Marguerite 発売日: 2001/02/06 メディ…

George Orwell の “Homage to Catalonia”(3)

前回(2)では、Orwell の現代性のうち些末な問題だけ採りあげた。マスコミの意図的な情報操作など、Orwell がスペイン内戦で目のあたりにした現象が、80年以上たった今日の東洋の島国でも認められるというもので、これを紹介した理由は、あまりに些末で指…