ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Helga Ruebsamen の “The Song and the Truth”(1)

オランダの作家 Helga Ruebsamen(1934 – 2016)の "The Song and the Truth"(1997, 英訳2000)を読了。Ruebsamen はジャカルタで生まれ、ジャワ島で幼児期を過ごしたのち、1939年、家族とともにオランダへ移住。この経歴からして本書は、彼女の実体験をフ…

Tess Gunty の “The Rabbit Hutch”(2)

少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。今年の全米図書賞の発表前、ひさしぶりに最終候補作をあらかじめ読んでおこうと、The Mookse and the Gripes の関連スレッドをながめていたら、表題作を高く買っているコメントが目にとまった。当たるも八卦当た…

2022年全米図書賞発表

本日、全米図書賞の発表があり、小説部門で Tess Gunty の "The Rabbit Hutch"(2022)が栄冠に輝いた。あちらのファンの情報をもとに、たった1冊だけ読んでいた最終候補作が受賞とあって、なんだか、ひとのフンドシで相撲を取ったような気分だけど、とりあ…

Isabel Allende の “The House of the Spirits”(1)

きのう、チリの著名な作家 Isabel Allende(1942 – )の処女作 "The House of the Spirits"(1982, 英訳1985)を読了。途中、諸般の事情で長らく中断していたので、じゅうぶんに理解できたかどうか怪しいものだが、なんとかレビューをでっち上げてみよう。 […

NoViolet Bulawayo  の “Glory”(4)

案の定、5回目のコロナワクチン接種の副反応がひどかった。当日の夕刻から、さむけと疼痛がはじまり、夜中の2時には8度6分の発熱。平熱に戻ったのは接種後3日目のきのうだった。いまもまだ、ちょっとボンヤリしている。なにも読む気がしないので、リハ…

NoViolet Bulawayo の “Glory”(3)

ほぼ1ヵ月ぶりに Isabel Allende の "The House of the Spirits"(1982)を読んでいる。メモを見て粗筋や人物関係を思い出すのに手間どったけど、やっとまた作品の世界になじんできたところ。 しかし明日は、5回目のコロナワクチン接種を受ける予定。こん…

Tess Gunty の “The Rabbit Hutch”(1)

今年の全米図書賞最終候補作、Tess Gunty の "The Rabbit Hutch"(2022)を読了。Tess Gunty はロス在住の新人女流作家で、デビュー作の本書は今年創設された Waterstones Debut Fiction Prize を受賞。さっそくレビューを書いておこう。 [☆☆☆★★] インディア…