ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Antonio Tabucchi の “The Edge of the Horizon”(2)

ぼくはいままで同じ作家の作品をつづけて読むことはなるべく控えてきた。連続して接すると、英語的に読みやすい、その作家の特徴をつかみやすいというメリットはあるものの、反面、新鮮味に欠ける憾みもある。それよりむしろ、未知の作家はもちろん、旧知の…

Antonio Tabucchi の “Indian Nocturne”(2)

『インド夜想曲』。なんと蠱惑的なタイトルだろう! そう思って、ほかに目についた作品ともども、英訳版を買い求めたのはずいぶん昔の話。以来、Tabucchi のことはずっと気になっていた。 その積ん読の4冊をやおら書棚から取り出したのは先月なかば。Faulkn…

Patrick Modiano の “Ring Roads”(1)

きのう、フランスのノーベル賞作家 Patrick Modiano の第三作、"Ring Roads"(原作1972, 英訳1974)を読了。本書は "The Occupation Trilogy"(2015)の第三巻でもある。さっそくレビューを書いておこう。 The Occupation Trilogy: La Place De L'etoile / T…

William Faulkner の “Requiem for a Nun” (2)

落ち穂拾いをしないといけない本がずいぶんたまってしまった。記憶や感動が薄れないうちに早く補足したほうがいいに決まってるのだけど、毎度へたくそなレビューもどきでも、じつはでっち上げるのに相当時間がかかり、昔とちがって、アップにこぎ着けた時点…

Patrick Modiano の “The Night Watch”(1)

きのう、フランスのノーベル賞作家 Patrick Modiano の第二作、"The Night Watch"(原作1969, 英訳1971)を読了。本書は "The Occupation Trilogy"(2015)の第二巻でもある。さっそくレビューを書いておこう。 The Occupation Trilogy: La Place De L'etoil…

Patrick Modiano の “La Place de l'Étoile”(1)

数日前、フランスのノーベル賞作家 Patrick Modiano の第一作、"La Place de l'Étoile"(原作1968, 英訳2015)を読みおえたのだが、諸般の事情で、きょうまでレビューもどきをでっち上げる時間が取れなかった。 本書は2015年に刊行された "The Occupation Tr…

Patrick Modiano の “Invisible Ink” (1)

フランスのノーベル賞作家 Patrick Modiano の近作、"Invisible Ink"(2019, 英訳2020)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Invisible Ink: A Novel (The Margellos World Republic of Letters) 作者:Modiano, Patrick Yale University Press Amazon …

Veza Canetti の “The Tortoises”(1)

数日前にオーストリアの女流作家、Veza Canetti(1897 - 1963)の "The Tortoises"(1939)を読みおえたのだが、諸般の事情で、なかなかレビューをでっち上げる時間が取れなかった。はて、どうなりますか。(なお、Veza の夫はノーベル賞作家の Elias Canett…