ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Dino Buzzati の “The Tartar Steppe”(2)

きょうは近所の夏祭り。盆踊りはなかったけど、夕方、出店の前は長蛇の列だったらしい。けれど三軒先に住むドラ息子がコロナに感染したので、初孫のショウちゃんは濃厚接触者。お祭りに連れていくわけにもいかず、ぼくは家で一杯やりながら Amazon Prime で…

Chinua Achebe の “Things Fall Apart”(2)

ロンドン時間26日、ブッカー賞のロングリストが発表された。いつもながら現地ファンのヒートアップぶりには感心させられる。「あと6時間で発表だ。ワクワクしてる」「そうだ、そうだ」なんていうファンたちの声からして、日本でもアメリカでも、発表前から…

Knut Hamsun の “Hunger”(2)

ブッカー賞のロングリスト発表が目前に迫ってきた(ロンドン時間26日)。いまチェックすると、現地ファンの下馬評で1番人気は相変わらず "The Colony"。ぼくもいたく感動しただけに(☆☆☆☆)、入選を祈るばかりだ。 気になるのは、今年の(対象は昨年度)全…

Audrey Magee の “The Colony”(1)

きのう、Audrey Magee の "The Colony"(2022)を読了。既報のとおり今年の George Orwell Prize の最終候補作だが、いまチェックすると、もっかイギリス現地ファンのあいだでは、今年のブッカー賞ロングリスト入選が最有力視されている。Audrey Magee はア…

Juan Rulfo の “Pedro Páramo”(2)

待ち望んでいた Audrey Magee の "The Colony"(2022)がやっと届き、さっそく着手。なかなか面白い。 これは2019年に創設された(前身あり) George Orwell Prize の今年の最終候補作だが、イギリスの文学ファンのあいだでは、今年のブッカー賞ロングリスト…

José Saramago の “Blindness”(1)

ポルトガルのノーベル賞作家 José Saramago(1922 – 2010)の "Blindness"(1995, 英訳1997)を読了。実際に使用したテクストは Harvill Press 版。さっそくレビューを書いておこう。 Blindness 作者:Saramago, José Vintage Classics Amazon [☆☆☆☆★] 破滅テ…

William Faulkner の “The Unvanquished”(3)

また大事件が起きた。コロナ渦にはじまり、ウクライナ侵攻、そして今回の暗殺と、この数年、それまでほとんど予想されなかったような重大事件が連続している。三つの事件にそれぞれ関連はないが、coincidences にはちがいない。 過去にも、そういえばあのと…

William Faulkner の “The Unvanquished”(2)

注文している今年の〈ブッカー賞ロングリスト候補作〉"The Colony" がまだ届かない。そこで引きつづき、同書の落手直前にタイミングよく片づけば、と Saramago の "Blindness" をボチボチ読んでいる。相変わらず面白い。 ひとがなぜか突然失明する伝染性の奇…

Patrick Modiano の既読作品一覧とゴヒイキ作品ベスト3

前回採りあげた "The Occupation Trilogy" で、架蔵している Modiano 作品はすべて読了。ほかに何冊か気になるものはあるが、いますぐ読みたいほどではない。そこで既読作品一覧をアップするとともに、My Favorite 3 を選んでみることにした。 その前にまず…

Patrick Modiano の “The Occupation Trilogy”

今年もブッカー賞の季節がやってきた。ロングリストの発表が迫り(ロンドン時間今月26日)、現地ファンのあいだでは例年どおり、いろいろな予想が飛びかっている。ぼくもじつは1ヵ月前くらいから下馬評をチラ見しているのだが、いまのところまだ、大本命と…