ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

ノーベル文学賞

Orhan Pamuk の “The Black Book”(2)

Virginia Woolf の "Mrs Dalloway"(1925)をボチボチ読んでいる。年始にぼんやり立てた予定より1ヵ月遅れだ。Woolf はちょうど1年前に取り組んだ "To the Lighthouse"(1927 ☆☆☆☆★)が初見で、今回が2冊目。 同書を読んだとき、なにしろ Virginia Woolf …

Orhan Pamuk の “The Black Book”(1)

数日前、やっと Orhan Pamuk の "The Black Book"(1990, 英訳2006)を読了。長い中断があり、読みおわってからも、すぐにはレビューを書く時間が取れなかった。はて、どんなレビューもどきになりますやら。 The Black Book (Vintage International) 作者:Pa…

"The Black Book" 雑感

きょうは "Fingersmith"(2002)の落ち穂ひろいをしようか、とも思ったのだけど、Sarah Waters はもうすぐ "Affinity"(1999)を読む予定。実際取りかかったときにでも思い出してみよう。 その前にまず表題作を片づけないと。やっとまた読みはじめたのだけれ…

Patrick Modiano の “The Black Notebook”(2)

諸般の事情でしばらくデスクから離れていたが、最近になってやっと、ボチボチ Orhan Pamuk の "The Black Book"(原作1990, 英訳2006)を読んでいる。なかなか面白い。 Pamuk は2006年にノーベル文学賞を受賞。その直後に本書の英訳版も刊行されたものと思わ…

Patrick Modiano の “The Black Notebook”(1)

ゆうべ、フランスのノーベル賞作家 Patrick Modiano の "The Black Notebook"(2012, 英訳2016)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 The Black Notebook (English Edition) 作者:Modiano, Patrick MacLehose Press Amazon [☆☆☆] モディアノ版『黒革の…

Patrick Modiano の “Honeymoon”(2)

前回採りあげた "Bewilderment" がいまいちピンとこなかったので(☆☆☆)、口直しに Patrick Modiano の "The Black Notebook"(2012, 英訳2016)に取りかかった。Modiano を読むのは表題作(1990, 英訳1992)以来、ほぼ1ヵ月半ぶりだ。 その "Honeymoon" だ…

Patrick Modiano の “Honeymoon”(1)

ゆうべ、フランスのノーベル賞作家、Patrick Modiano の "Honeymoon"(1990, 英訳1992)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Honeymoon (Verba Mundi) 作者:Modiano, Patrick David R. Godine Publisher Amazon [☆☆☆★] ラストの虚無感、喪失感がたまら…

William Faulkner の “The Reivers”(2)

いまでこそ、「なにから読むか、フォークナー」などと気どったタイトルの記事を本ブログに載せているが、じつは Faulkner を英語で読むようになったのは2000年の夏から。そう遠い昔ではない。 高校時代には翻訳で『八月の光』その他を読んでいたものの、大学…

William Faulkner の “The Reivers”(1)

William Faulkner の最後の長編 "The Reivers"(1962)を読了。Faulkner は本書の刊行後に他界したが、翌1963年、本書で "A Fable"(1954 ☆☆☆★★★)以来二度目のピューリツァー賞受賞。1969年には、"The Reivers" はスティーヴ・マックィーン主演で映画化され…

Halldór Laxness の “Independent People”(2)

Halldór Laxness というアイルランドの作家がいることを知ったのは、過去記事を検索すると2009年の5月。その当時、米アマゾンのベストセラー・リストになぜか本書がちょくちょく顔を出していたようだ。 ベストセラーなんて、いまでこそ久しくチェックしたこ…

Halldór Laxness の “Independent People”(1)

きのう、アイスランドのノーベル賞作家、Halldór Laxness の "Independent People" を読了。アイスランド語原書の第一部は1934年刊、第二部は1935年刊。英訳合冊版は1946年刊で、Laxness は1955年にノーベル賞を受賞。さっそくレビューを書いておこう。 Inde…

William Faulkner の “A Fable”(4)

そろそろまじめに落ち穂拾いをしておこう。第一次大戦の末期、西部戦線で仏軍連隊の伍長が突撃命令に従わなかったことをきっかけに奇妙な停戦がはじまり、老将軍が伍長を尋問。将軍は、伍長が全軍に及ぼす重大な影響力を認め、その立場を失墜させるべく戦場…

William Faulkner の “A Fable”(3)

きのう、恥ずかしながらロジェ・ヴァディム監督の『危険な関係』を初めて観た。まさにキケンな映画ですな。不倫ゲームがやがてゲームでなくなるなか、遊びにしろ本気にしろ、ジャンヌ・モローはどちらもみごとに演じ切っている。こんなに芸域の広い女優は、…

William Faulkner の “A Fable”(2)

その後、腰の違和感はだいぶ薄らいできたものの、曾野綾子の言うとおり「すべての変化は予兆」。将来ほんとうに恐ろしいことになるかもしれない。そうならないよう、毎日ストレッチに励んでいる。 腰が気になり読書から遠ざかっているあいだ、これもやはり予…

William Faulkner の “A Fable”(1)

ゆうべ、William Faulkner の "A Fable"(1954)を読了。1955年のピューリツァー賞および全米図書賞受賞作である。さっそくレビューを書いておこう。 A Fable (Vintage International) (English Edition) 作者:Faulkner, William 発売日: 2011/05/18 メディ…

"A Fable" 雑感

諸般の事情でしばらく読書から遠ざかっていた。まず、腰を痛めた。原因はたぶん掃除のしすぎだろうが、ネットで調べると恐ろしいことが書いてある。とりあえずストレッチに励んだ結果、さいわい、いまではだいぶよくなったものの、まだ違和感がのこっている。…

Orhan Pamuk の “A Strangeness in My Mind”(2)

師走が近づいてきて、テンプのぼくもそれなりに忙しくなってきた。おかげで、というか毎度のことだけど、いま読んでいる本もなかなか進まない。Don Delillo のご存じ超大作 "Underworld"(1997)である。 え、あんたまだ読んでなかったの、と嗤われそうだが…

Orhan Pamuk の “A Strangeness in My Mind”(1)

トルコのノーベル賞作家、Orhan Pamuk の "A Strangeness in My Mind"(原作2014、英訳2015)を読了。2016年のブッカー国際賞最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。 後記:この記事を書いたときは、本書が彼の最新作と勘違いしていた。正しく…

Patrick Modiano の “Sundays in August”(2)

今週は予定どおり、Bernardine Evaristo の "Girl, Woman, Other"(2019)を読んでいる。先々週だったか、ちょっとだけ試読。先週 Margaret Atwood の "The Testaments"(2019 ☆☆☆★★)に乗り換えたあと、改めて最初からじっくり Evaristo のほうに取りかかっ…

Patrick Modiano の “Sundays in August”(1)

予約注文していた Margaret Atwood の "The Testaments" がまだ手元に届かない。かの "The Handmaid's Tale"(1985 ☆☆☆☆)の続編とあって、話題性という点では今年のブッカー賞候補作のなかで断トツと思われるのだけど、発売日は今月10日。それなのに英米ア…

Günter Grass の “Cat and Mouse”(2)

ブッカー国際賞の発表が迫ってきた(ロンドン時間5月21日)。去年に引き続き、今年も発表前に読んだ最終候補作は2冊だけ。 去年は現地ファンの下馬評で1番人気だった Hang Kang の "The White Book"(☆☆☆★★)と、3番人気だった Ahmed Saadawi の "Franke…

Günter Grass の “Cat and Mouse”(1)

Günter Grass の "Cat and Mouse"(原作1961、英訳1997)を読了。周知のとおり、これは "The Tin Drum"(1959 ☆☆☆☆★★)に始まるダンツィヒ三部作の第二作である。さっそくレビューを書いておこう。 CAT AND MOUSE 作者: Gunter Grass 出版社/メーカー: Rando…

Orhan Pamuk の “The Museum of Innocence”(2)

大型連休の初日。ぼくも久しぶりにのんびり朝から本を読んで過ごした。こんな日は、やむを得ぬ事情で今月から元の職場に復帰して以来、初めてかもしれない。 そこでやっと、Orhan Pamuk の "The Museum of Innocence"(原作2008、英訳2009)の落ち穂拾いをす…

Orhan Pamuk の “The Museum of Innocence”(1)

Orhan Pamuk の "The Museum of Innocence"(原作2008、英訳2009)を読了。周知のとおり、これは彼のノーベル文学賞受賞第一作である。さっそくレビューを書いておこう。 The Museum of Innocence 作者: Orhan Pamuk,Maureen Freely 出版社/メーカー: Faber …

William Faulkner の “The Mansion”(1)とスノープス三部作

きのう、フォークナーの "The Mansion"(1959)をやっと読了。ご存じスノープス三部作の最終巻である。 この三部作はフォークナーの晩年を代表する高峰群であり、今回の縦走により、またひとつ長年の宿題を片づけることができた。なんだか、ちょっぴり三浦雄…

William Faulkner の “The Town”(1)

このところボチボチ読んでいた Faulkner の "The Town"(1957)をやっと読了。周知のとおり、the Snopes trilogy スノープス三部作の第二巻である。さっそくレビューを書いておこう。 The Town (Vintage International) 作者: William Faulkner 出版社/メー…

Orhan Pamuk の “The White Castle”(3)

ここ数日、いままでサボっていた過去記事の分類をボチボチやっていた。中にはタイトルを見ただけでどんな本かすぐに思い出したものもあるが、それはレアケース。レビューを読み返してもピンと来ない本のほうが圧倒的に多い。 そんなときは前後の記事から判断…

Orhan Pamuk の “The White Castle”(2)

恥ずかしながら、Orhan Pamuk の作品を読んだのは本書が2冊目。日本では「オルハン・パムク」と表記されていることも、何ヵ月か前に “My Name Is Red”(1998 ☆☆☆☆★)を読むまで知らなかった。 宮仕えの時代にこのノーベル賞作家を敬遠していたのは、同書を…

William Faulkner の “The Hamlet”(1)

ああ、やっぱりヤマカンどおり、今年の全米図書賞は Sigrid Nunez の "The Friend" に決まりましたね! しかし当面、読書予定はけっこう詰まっている。とりあえず、来年2月に出るというペイパーバック版を待つことにしよう。 さて、このところ体調不良につ…

Orhan Pamuk の “The White Castle”(1)

きのう、ノーベル賞作家 Orhan Pamuk の "The While Castle"(1985)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 追記:本書は1990年に創設されたインディペンデント紙外国小説最優秀作品賞の第一回受賞作でした。 The White Castle (Vintage International) …