ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

ヒューマン・ドラマ

Louise Erdrich の "The Painted Drum"

Jim Harrison の "Returning to Earth" を読んでいて思い出したのが Louise Erdrich の "The Painted Drum" だが、二作ともインディアンの血を引く人物が主人公であり、しかも主題まで共通しているのが面白い。The Painted Drum: A Novel (P.S.)作者:Erdrich…

Jim Harrison の "Returning to Earth"

"Publishers Weekly" 誌選定の年間優秀作 http://www.publishersweekly.com/article/CA6496987.html には、Andrew O'Hagan の "Be Near Me" 以外にもペイパーバックで読める作品がいくつか混じっている。Jim Harrison の "Returning to Earth" もその一つだ…

Trezza Azzopardi の "Remember Me"

要するに "Eve Green" の場合、主人公の娘の両親に関する謎が次第に解き明かされるのはいいのだが、回想形式なのでサスペンス味は薄いし、示された真相に深い意味があるとは言えないのが難点だ。それにひきかえ、娘の知りあいの美少女が突然失踪する事件のほ…

Silas House の "A Parchment of Leaves"

今週は通勤時だけでなく帰宅後も読書を楽しめるようになり、おかげで職場以外では快調な毎日だった。A Parchment of Leaves (Ballantine Reader's Circle)作者: Silas House出版社/メーカー: Ballantine Books発売日: 2003/08/26メディア: ペーパーバックこ…

Barbara Kingsolver の "Prodigal Summer"

ただでさえ貧乏暇なしなのに、師走が近づいてくると輪をかけて忙しく、ゆっくり本を読む時間がない。そこで今日も昔のレビューでお茶を濁すことにしよう。Prodigal Summer: A Novel作者:Kingsolver, BarbaraHarper PerennialAmazon[☆☆☆☆★] 古来、西欧人にと…

Ron Rash の "One Foot in Eden"

この時期、現代英米小説のファンなら全米図書賞に関心を向け、例えば今年の本命と目される Denis Johnson の "Tree of Smoke" を読むべきかもしれないが、ぼくは何しろ文学ミーハーに過ぎないので、読まず嫌いでいこうと思っている。それより、今年に限らず…

Charles Martin の "When Crickets Cry", Justin Cronin の "The Summer Guest" と John McGahern の "By the Lake"

宮仕えの身だと、思うように本を読めないのがつらい。この連休中も結局、家で仕事ばかりしていた。というわけで、これは昔話。かなり旧聞に属するが、さる7月9日、Christian Book Award の本年度受賞作が発表され、Karen Kingsbury の "Ever After" が大賞…