ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

全米図書賞

Junot Diaz の “This Is How You Lose Her” (1)

今年の全米図書賞候補作、Junot Diaz の "This Is How You Lose Her" を読了。さっそくレビューを書いておこう。This is How You Lose Her作者:Diaz, JunotFaber & FaberAmazon[☆☆☆★★] 男が女と出会って関係し、そして別れる。よくある話だが、これはアメリ…

2012年全米図書賞最終候補作発表 (2012 National Book Award Finalists)

今日も忙しく、"The Orphan Master's Son" はろくに進まなかった。そこで全米図書賞の最終候補作をならべてお茶を濁すことにしよう。 5人の作家のうち、Junot Diaz と Louise Erdrich だけは旧作を読んだことがある。2007年の全米批評家協会賞に輝いた Diaz…

Jesmyn Ward の “Salvage the Bones” (1)

昨年の全米図書賞受賞作で、今年のアレックス賞受賞作のひとつでもある Jesmyn Ward の "Salvage the Bones" を読みおえた。例によってまずレビューを書いておこう。Salvage the Bones作者: Jesmyn Ward出版社/メーカー: Bloomsbury Pub Plc USA発売日: 2011…

Edith Pearlman の “Binocular Vision” (1)

今日は Denis Johnson の "Train Dreams" について落ち穂拾いをするはずだったが、先月以来中断していた Edith Pearlman の "Binocular Vision" をようやく読みおえたので、そのレビューから先に書くことにした。今年の全米図書賞候補作のひとつである。 追…

2011年全米図書賞発表 (2011 National Book Award for Fiction)

ニューヨーク時間で11月16日、今年の全米図書賞が発表され、小説部門で Jesmyn Ward の "Salvage the Bones" が栄冠に輝いた。ぼくはてっきり、Tea Obreht の "The Tiger's Wife" が受賞するものと思いこんでいたので意外な結果だ。このところ1日1話のカタ…

Julie Otsuka の “The Buddha in the Attic” (1)

今年の全米図書賞の最終候補作、Julie Otsuka の "The Buddha in the Attic" を読了。さっそくレビューを書いておこう。 追記:その後、本書は2011年のロサンゼルス・タイムズ紙文学賞の最終候補作にも選ばれました。The Buddha in the Attic作者: Julie Ots…

2011年全米図書賞ショートリスト発表 (The 2011 National Book Award Finalists)

オレゴン州の現地時間で12日、今年の全米図書賞の最終候補作が発表された。小説部門のリストを見ると、うれしいことに、ぼくが今年の上半期マイ・ベスト5に選んだ Tea Obreht の "The Tiger's Wife" もノミネートされている。 残念なのは、ひそかに期待して…

Jaimy Gordon の “Lord of Misrule”(1)

去年の全米図書賞受賞作、Jaimy Gordon の "Lord of Misrule" をやっと読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。Lord of Misrule作者: Jaimy Gordon出版社/メーカー: McPherson & Co発売日: 2010/11/30メディア: ハードカバー クリック: 8回この商品を…

2010年全米図書賞発表(2010 National Book Awards)

今年の全米図書賞(National Book Awards)が発表され、小説部門では Jaimy Gordon の "Lord of Misrule" が栄冠に輝いた。Lord of Misrule作者: Jaimy Gordon出版社/メーカー: McPherson & Co発売日: 2010/11/30メディア: ハードカバー クリック: 8回この商…

Nicole Krauss の “Great House”

またまた大幅に予定より遅れてしまったが、今年の全米図書賞(National Book Award)の候補作のひとつ、Nicole Krauss の "Great House" を何とか読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。Great House作者: Nicole Krauss出版社/メーカー: Viking発売日…

Daniyal Mueenuddin の “In Other Rooms, Other Wonders”

旅行中はせっかく頑張って本を読んでいたのに、今日は頭が働かず、終日ぼんやりしていた。ともあれ、おととい読みおえた本書のレビューを書いておこう。雑感(1)でもふれたように、これは去年の全米図書賞最終候補作のひとつで、タイム誌とパブリシャーズ…

Jayne Anne Phillips の "Lark & Termite"(1)

多忙その他、諸般の事情で遅れに遅れていた Jayne Anne Phillips の "Lark & Termite" をやっと読みおえた。去年の全米図書賞ならびに全米批評家(書評家)協会賞の最終候補作である。この本については、すでに雑感で言い尽くしたような気もするが、とりあえ…

Bonnie Jo Campbell の "American Salvage"(1)

昨年の全米図書賞最終候補作で、今度は全米批評家(書評家)協会賞にノミネートされている Bonnie Jo Campbell の "American Salvage" を読みおえた。いつものようにまずレビューを書いておこう。American Salvage作者: Bonnie Jo Campbell出版社/メーカー: …

Colum McCann の "Let the Great World Spin" (1)

昨年の全米図書賞(National Book Award)受賞作、Colum McCann の "Let the Great World Spin" をやっと読みおえた。さっそく、いつものようにレビューを書いておこう。Let the Great World Spin作者: Colum McCann出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing …

今年の全米図書賞と Adam Foulds の "The Quickening Maze"(2)

ちょっと遅いニュースだが、今年の全米図書賞(National Book Awards)の小説部門が Colum McCann の "Let the Great World Spin" に決まった。じつは最終候補作のラインナップをながめたとき、唯一この作家だけ旧作("Fishing the Sloe-Black River")をも…

Joshua Ferris の "Then We Came to the End"

07年の全米図書賞候補作で、ニューヨーク・タイムズ紙の年間ベスト作品にも選ばれた Joshua Ferris の "Then We Came to the End" をやっと読みおえた。今までの雑感のまとめに過ぎないが、さっそくレビューを書いておこう。Then We Came to the End作者: Jo…

Lily Tuck の "The News from Paraguay"

ご存じ Michiko Kakutani が発表した今年のベスト10を見たら、Joseph O'Neill の "Netherland" も選んでいた。http://www.nytimes.com/ref/books/2008holidayKakutani2.html?ref=arts 早く読みたいところだが、超多忙のため、"Notes from an Exhibition" を…

Mischa Berlinski の "Fieldwork"

昨年の全米図書賞最終候補作、Mischa Berlinski の "Fieldwork" がペイパーバック版で出ているので読んでみた。Fieldwork作者: Mischa Berlinski出版社/メーカー: Picador発売日: 2008/01/22メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る[☆☆☆★]…

Kent Haruf の "Plainsong" と Tom Bailey の "The Grace That Keeps This World"

ブッカー賞の季節がようやく終わり、これでアメリカの小説もじっくり読めるようになった。さる10月10日には全米図書賞の最終候補作が発表され、http://www.nationalbook.org/nba2007.html どうやら Denis Johnson の "Tree of Smoke" が本命視されているよう…