今年は今まで英米のメディアが選んだ昨年度の優秀作品や、メジャーな賞の候補作ばかり読んできたので、このへんで積ん読の山を切り崩さねばと、Mindy Friddle の "The Garden Angel" を読んでみた。
- 作者: Mindy Friddle
- 出版社/メーカー: Picador
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: ペーパーバック
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…これは2年前だったか、英米アマゾンのリストマニアをサーフィンしているうちに発見した作品で、Jim Lynch の "The Highest Tide" や Tom Perrotta の "Little Children" などと一緒に購入した憶えがある。両書はその後話題になり、ぼくも去年読んで大いに気に入ったが、(詳細は http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080131/p1 及び http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080312/p1)、本書だけ読み残していた。
読んだ感想は上の通りで、ネット・サーフィンによる山勘の結果は、ジム・リンチとトム・ペロッタの作品とあわせると「2勝1敗」、今回は残念ながら大はずれだった。これと言って特色のない凡作で、向こうでも埋もれてしまっているのも無理はない。
昨日はたまたま、『いつか晴れた日に』をDVDで観たのだが、同じ家庭騒動を扱った作品でも、ジェーン・オースティン原作の映画のほうがはるかに面白かった。オースティンの小説には長らく接していないが、映画から判断する限り、昔の家庭小説では、家庭における「コップの中の嵐」が、その家庭を含む社会や文化の矛盾を反映していたような気がする。ところが、現代の家庭小説では、あくまでも「コップの中の嵐」に終始している場合が多いのではないか。この "The Garden Angel" もいい例で、構成や話術にさほど工夫が見られないぶん、そういう欠点ばかり目についてしまった。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: DVD
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