ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

ぼくの上半期ベスト3

 帰りの電車の中で、今年の全米書評家協会賞(全米批評家協会賞)最終候補作、Marianne Wiggins の "The Shadow Catcher" のペイパーバック版を半分過ぎまで読んだところだが、なかなか面白い。が、ハードカバーの表紙から期待したほどではなく、これが賞レースで "The Brief Wondrous Life of Oscar Wao" の後塵を拝したのも無理はないな、と思いつつある。

The Shadow Catcher: A Novel

The Shadow Catcher: A Novel

 そのレビューは後日書くとして、今日は今年の上半期ベスト3を選んでみることにした。本当はもっともっと読みたい、読めるはずなのに、いつもながら何かと忙しく、また体調も芳しくなかったので、今年読破した本の数はお恥ずかしいほど少ない。
1.
The Savage Detectives

The Savage Detectives

(詳細は4月5日の日記 http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080405/p1
2.
The Brief Wondrous Life of Oscar Wao

The Brief Wondrous Life of Oscar Wao

(詳細は2月27日の日記 http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080227/p1
3.
The Road Home

The Road Home

(詳細は6月28日の日記 http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080628/p1
番外
Nada: Una novela (Modern Library Classics)

Nada: Una novela (Modern Library Classics)

(詳細は1月13日の日記 http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080113/p1
 3位はかなり迷った。Elif Shafak の "The Bastard of Istanbul" にしようか、A.L.Kennedy の "Day" にしようか。前回の日記で「"Day" のほうにより深い感銘を覚えた」と書いたばかりなのに、その舌の根も乾かぬうちに、このベスト3には "The Road Home" を選んでしまった。われながらいい加減なものだが、一応、もし再読するとしたら、という基準で考えてみた。再読でも、あの「起伏に富んだ劇的な展開」なら十分楽しめるのではないだろうか。あと、昔の作品なので番外にしたが、Carmen Laforet の "Nada" は本当にいい作品だった。
 ところで、去年の「ぼくの年間ベスト3」は、いずれも去年の上半期に読んだものばかり。http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080211/p1
 それに較べると、今年の上半期ベスト3は3冊とも若干見劣りがする。去年の下半期から低調続きと言ってもよい。これはぼくの体調とも見事に一致するので、もしかしたら、体調がすぐれないときほど面白い本と出会う確率も低いのかもしれない。がさいわい、胃の痛みもだいぶ和らいできたので、これからはがんばろうと思っている。