ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2008年全米図書賞発表

 日本時間で本日正午から National Book Awards(全米図書賞)の発表が始まった。最初は Young People's Literature 部門で Judy Blundell の "What I Saw and How I Lied" が受賞。

What I Saw And How I Lied

What I Saw And How I Lied

 少しずつ時間をおいてオフィシャル・サイト http://www.nationalbook.org/ を覗くと、次第に各部門賞の発表が行なわれている様子がリアルタイムで分かり、なかなか面白い。で結局、最優秀長編賞はぼくの予想どおり(今度は当たった!)、Peter Matthiessen の "Shadow Country" が受賞。"Killing Mister Watson", "Lost Man's River," "Bone by Bone" という旧作を1冊にまとめて大幅に書き直したものらしい。
Shadow Country (Modern Library)

Shadow Country (Modern Library)

 ショートリストが発表されたとき、ぼくは「この900ページを超える大作が受賞する可能性はかなり高い。最近の全米図書賞は著名作家の顕彰という性格を帯びているような気がするからだ」と書いたが、William T. Vollmann, Richard Powers, Denis Johnson に続き、これで「著名作家の顕彰」は4年目。候補作も含めて最近とみに新人賞の色彩が濃くなってきたブッカー賞とは好対照だ。
 ともあれ、"Shadow Country" のペイパーバック版が出るのは来年6月ということなので、貧乏金なしのぼくは首を長くして待つしかない。