ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

『寅次郎ハイビスカスの花』

 元日は2年ぶりに鶴岡八幡宮に参拝。朝早かったせいか、まだ通行規制もなく、バス停から脇道を経て本殿へすっと登れた。その昔、雪の舞い散るなか、まだ小さかった子供を抱きながら通ったルートだが、参拝のたびにあのときの光景を思い出す。なぜあの場面が忘れられないのか。ひとつの景色が記憶に焼きつくのはどうしてだろう。
 帰宅後、本当に久しぶりにアーヨ盤で『四季』を聴く。

ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」

ヴィヴァルディ/協奏曲集「四季」

  • アーティスト: アーヨ(フェリックス),ビバルディ,イ・ムジチ合奏団
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1991/06/25
  • メディア: CD
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 ふだんはもうあまり聴かない曲だし、ビオンディ盤やカルミニョーラ盤などに聴きなれたせいか、こんなにゆったりしたテンポだっけ、と驚いた。数えてみると、『四季』のCDは11枚も持っている。アーヨ盤はたぶん、聴いた回数が1、2番目に多いはずなのに、改めて接すると意外な発見がある。名曲名盤とはそうしたものかもしれない。
 雑煮を食べてから、『仁義なき戦い』をDVDで見た。
仁義なき戦い [DVD]

仁義なき戦い [DVD]

 大昔、吉祥寺のオデオン座?だったかで、土曜の夜、オールナイトで5本一気に上映する 《仁義なき戦い祭り》 というのがあった。それを2週続けて見て以来、?十年ぶりに見たが、金子信雄が出てきて何かしゃべるたびに、アハハと笑ってしまった。その存在感は影の主人公では、と思わせるほどで、小説でも映画でも、いい脇役が絶対に必要だと痛感。
 しばらくボーっとしているうちに、早くも夕食。胃痛にもめげず酒を飲みながら、寅さんシリーズ第25作『ハイビスカスの花』をやはりDVDで見た。
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 [DVD]

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 [DVD]

 寅さん映画と言えば、こちらも大昔、三鷹オスカー?だったかで、昼間に5本上映するという 《寅さん祭り》 を見たとき、2本目でダウンした憶えがある。同じパターンの繰り返しで、これはやっぱり盆暮れに見るものだと思ったものだ。
 『ハイビスカス』は今まで特別版しか見たことがなく、オリジナル版は初めて。映画鑑賞としては邪道だが、渥美清が死んでしまったことがどうしても頭にちらついてしまう。寅さんが結婚すればシリーズは完結するので、当然、寅さんはいつまでも失恋し続けなければならない。…と分かっていても、やはり、リリーさんと結ばれるとよかったのに、と思ってしまう。そう思うと、二人の登場する場面がたまらなく切ない。さほどに感情移入させられるような小説を今年は読みたいものだ。