ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

オレンジ賞ロングリスト発表(2009 Orange Prize longlist)

 昨日、オレンジ賞のロングリストが発表された。http://www.orangeprize.co.uk/show/feature/orange-prize-2009-longlist 例によって候補作の数が非常に多く、今のところどうも食指が動かない。
 ぼくが旧作を読んだことのある作家は Toni Morrison と Marilynne Robinson の二人だけだが、モリスンの "A Mercy" もロビンソンの "Home" も昨年、英米の各メディアで評価が高かった作品だ。とりわけ、"Home" は今年の全米書評家(批評家)協会賞の候補作にも選ばれているので、ひょっとしたらこれが本命かもしれない。5月にペイパーバック版が出るそうなので、もしショートリストに残っていたら読んでみよう。

Home

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 去年はロングリストの段階では、Elif Shafak の "The Bastard of Istanbul" がけっこう話題になっていた。http://d.hatena.ne.jp/sakihidemi/20080523 そこで、英米以外の作家の作品でペイパーバック化されており、しかも英米アマゾンの評価が高いものはないかと検索したら、V.V. Ganeshananthan の "Love Marriage" という本が目についた。この作家はアメリカ生まれだが、両親はスリランカ出身とのこと。シノプシスをざっと読んだかぎり、わりと面白そうだ。
Love Marriage

Love Marriage

 ちなみに、昨年は受賞作発表の数日前から、オレンジ賞の公式HPにある "read this" というコーナーで受賞作の "The Road Home" が紹介されていた。今年はどうなのか注目したい。