ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

"The Northern Clemency" 雑感(2)

 今日は文字どおり blue Monday。えらく疲れた。Philip Hensher の "The Northern Clemency" に再び取りかかったが、さっぱり進まない。ひとつには、『ジーニアス』並みに分厚い本ということで持ち運びに不便。おまけに、英語もちょっとむずかしい。難解というほどではないのだが、どうも回りくどい。
 回りくどいといえば、ストーリーの展開も相変わらず超スロー。どうやら何か事件が起こりそうな気配はあるのだが、今はまだその手前で足踏みしている。何しろ、100ページ以上過ぎたところで、なんと冒頭の町内親睦会の話題に戻るくらいなのだ。このかん、パーティーに至るまでの経緯がえんえんと続く。眼目のひとつはどうやら、親睦会を主催した一家の奥さんと、彼女が勤めだした花屋の主人の「怪しい関係」にありそうなのだが、正直言って、かなりしんどい。
 まあ、でも考えてみれば、直線的な展開ではなく、螺旋状というか円形というか、話がぐるっと大回りしながら進むのが小説の醍醐味かもしれない。フランスの19世紀の大長編小説なんてみんなそうだ。バルザックスタンダールフローベール…。その意味では、本書は今のところ、かなり伝統的なスタイルの小説と言えるかもしれない。
 …と、ここまで書いて少し先を読んだら、夫が謎の失踪を遂げた(?)くだりにやっと戻るようだ。いやはや、これはやっぱり連休中に読むべきでしたね。