ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“A Gate at the Stairs” 雑感(1)

 4日から始まったぼくの連休も今日でおしまい。結局、連休とは名ばかりの仕事三昧で、職場とはまた違う意味でストレスがたまってしまった。今日は午前中、自治会による公園の草取りに参加。たった1時間だけなのにバテバテだったが、気分転換にはなった。
 そんなこんなでろくに進んでいないが、今年のオレンジ賞の大本命(とぼくが勝手に予想している)Lorrie Moore の "A Gate at the Stairs" に取りかかった。候補作の最右翼と思われるわけは、この本が昨年、ニューヨーク・タイムズ紙と米アマゾンの年間ベスト作品のひとつに選ばれているからで、あちらの評価の後追いに過ぎない。とはいうものの、ほかの有名な賞の受賞作とダブらない話題作が栄冠に輝くという過去の受賞歴からすると、ぼくの予想もあながち的はずれではないと思う。
 実際、出だしの数ページを読んだだけでも雰囲気はかなりいい。舞台はアメリカ中西部、イリノイ州の町トロイ。さりげない自然描写にローカルピースらしい味わいがあり、田舎者のぼくはそれだけで惹きつけられる。主人公はそこの大学に通う娘 Tassie で、彼女はベビーシッターのバイト先を探しているのだが、なかなか見つからない。が、近々養子をもらう予定のレストランの女店主のもとを訪れると…。
 Tassie のデートの相手がなんとゲイだった、などというユーモラスなエピソードも混じるが、このごく普通の娘がベビーシッターのバイトを始めることで何かひと波乱ありそう。農家出身の彼女の素朴な人柄にも好感がもてる。さて、これからどんな事件が待ち受けているんでしょう。