明日から4年ぶりに北海道へ旅行に行く。旅行のときに持って出かける本というのは週刊誌の読書特集にでもありそうなテーマだが、ぼくの場合は簡単で、そのとき気の向いたものに手が伸びるだけ。今回は長編を敬遠し、Daniyal Mueenuddin の短編集 "In Other Rooms, Other Wonders" を持って行くことにした。
変わった名前だなと思って裏表紙を見ると、エール大学のロースクールを出たパキスタン人作家とのこと。本書は去年の全米図書賞最終候補作のひとつで、タイム誌とパブリシャーズ・ウィークリー誌の年間ベスト10にも選ばれている。去年の話題作であることは間違いない。
学生時代に読んだきり中身をすっかり忘れてしまったカポーティーの "Other Voices, Other Rooms" とよく似たタイトルだな、と思ったのも食指が動いた理由のひとつだが、つい先ほど読みおえた第1作 "Nawabdin Electrician" は、勘の鈍いぼくには正直言ってピンとこなかった。パキスタンの農場主に雇われている技師が拳銃強盗に襲われ、命拾いする話だが、はてテーマは何なのやら。世の中には、わけがわからないけど面白い、何となくいい味がする、という短編もあるものだけど、これはううん、どうなんでしょうねえ。
明日からはケータイを使ってこの続きを書くことになる。ユーウツだけど、波長の合う作品に出会うことを期待しよう。