ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Parrot and Olivier in America”雑感 (1)

 昨日から帰省。またもやケータイを使って駄文を綴ることになり、不便この上ない。ともあれ、今年のブッカー賞候補作、Peter Carey の "Parrot and Olivier in America" を読みはじめた。これまた大長編だ。
 Peter Carey もぼくには馴じみの薄い作家で、"True History of the Kelley Gang" しか読んだことがない。それもずいぶん昔のことゆえ内容はすっかり失念。というわけで、この大御所に取り組むのもほとんど初めてのようなものだ。
 どうやらタイトルどおり、Parrot と Olivier という二人の人物が主人公らしく、それぞれの少年時代からの回想が交代で語り継がれるという形式のようだ。まだ第1クールしか読んでいないので文字どおり雑感にすぎないが、これは悠々たるペースで進む歴史小説ですね。
 まず Olivier の話から始まり、舞台はフランス革命動乱期のノルマンディー。貴族の息子だが、まだ幼い少年ゆえ、わけがわからぬまま歴史の流れに翻弄される姿が描かれているが、さて面白いといえば面白いけれど、まあ歴史小説定番の出だしとしか言いようがない。
 一方、Parrot のほうは早くも劇的な展開だ。こちらの舞台はイギリスで、父親が印刷工の Parrot はひょんなことからニセ札作りに巻きこまれる。けっこうアクションの連続で面白い。
 そんな二人が運命のいたずらでアメリカで出会い…という筋書きなんでしょうね。先が楽しみだ。