ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Remarkable Creatures”雑感(2)

 昨日の午後、友人の案内で上野公園から根津界隈を探訪。折からの強風で紅葉はかなり散ってしまっていたが、それでも有名な蛇道など、晩秋の下町の風情を満喫できた。「大黒屋」でおみやげにせんべいを買い、「いもじん」で買ったアイスモナカを食べながら歩いたあと、小料理屋でささやかな忘年会。
 その席でやおら本書を取り出したところ、「"Girl with a Pearl Earring" の作家」という表紙の紹介を見た友人に指摘されて思い出した。そうか、あの有名な作品はたしか、フェルメールの女中か何かが主人公だったっけ。
 ずいぶんウカツな、というかノンビリした話だが、古い歴史を感じさせる下町で物静かな友人とおしゃべりしていると何もかもレトロ感覚。いや、マッタリ感覚か。ともあれ、それはそっくりそのまま、この "Remarkable Creatures" にも当てはまる印象である。19世紀のイギリス、英仏海峡に面した小さなリゾート地で2人の女性がアンモナイトなどの化石を探す話だよ、というぼくの説明を聞きながら、本書の先のほうをしばらく読んでいた友人も少し気に入った様子だった。
 今日の午後ちょっとだけ読み進んだので、もっと感想を述べることもできるのだが、「のんびりしたい」という昨日の友人の言葉がいまだに耳について離れない。せっかく味わい深いレトロな本なんだから、せかせかブログを書くこともないよね。