突然ですが、「96時間」を初めて観ました。「突然ですが」というのは、このマイナーなブログの、ごく少数の奇特なリピーターの方々ならおわかりでしょう。ここではぼくは、今までほとんど海外小説についての駄文しか綴ってこなかったからです。
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その感動の余韻がさめやらぬまま、今度は「恋人たち」を鑑賞。ゲージュツ映画の苦手なかみさんは、さっさと自室に戻り、東野圭吾のミステリを読んでいたようだ。この映画、DVDで何度観たかわからないマイベスト10のひとつだが、ブルーレイの画質はどうだろうと気になり、ただ同然で手に入れた。「ただ同然」というのは、ある通販会社の今まで貯まっていたポイントで購入したからだ。
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それから、なんといっても音響効果が抜群にいい。わが家の装置は10年くらい前のBOSEのサラウンドシステムだが、それでも十分に鑑賞に耐える水準だ。…と、ここまで書いて、ベルリン・フィル8重奏団盤で、ブラームスのあの名曲を久しぶりに聴きはじめた。ううむ、映画で聴くほうが、はるかに盛り上がりますね。それほど「恋人たち」のブルーレイ版は音もいい。
それにしても、ジャンヌ・モローの演技はほんとにすごい! 顔の表情、いや、目の光具合だけで、内面の心理をあれほど表現できるなんて…。夜がまだ明けやらぬ前、娘のカトリーヌを抱いたあとのあの顔。名優とは、彼女のためにあるような言葉だと言っても過言ではないくらい。ご面相的には、ドミニク・サンダ様が大のゴヒイキなのだが、演技という点では、ジャンヌ・モローかキャサリン・ヘップバーンか、てなもんでしょう。
駆け落ち前夜のディナーの場面にも圧倒された。夫、愛人、そして知りあったばかりの青年がいるなかで、ジャンヌ・モローをはじめ、それぞれの人物が見せる顔の表情。ルイ・マル監督の注文も当然あったものと思われるが、それにしても文学的な場面です。こんな当たり前のことも、DVDのときには気がつきませんでした。
夢幻的な月夜のシーンがいかにすばらしいか、これは今さら言うまでもないだろう。あれを観てノックダウンされない人とは酒を飲みたくない(かみさんは別)、と酒を飲みながら、改めて思ったものだ。以上、酔ったいきおいで失礼。