去年もこの時期は大忙しだったが、今年はそれに輪をかけて忙しい。きょうも先ほど帰宅したばかりだ。
ずっと同じ部署なので同じように仕事をこなしてもいいんだけど、と思いつつ、自分なりにアップデートを心がけているのも多忙の一因だろう。しかしその甲斐あって、秋から今までの実績は去年に引きつづき、ぼくの部署としては過去最高。先日の忘年会でも気楽に一杯やることができた。男はやっぱり仕事をやってナンボのもんじゃい、と自己満足。この調子で行けば、年度末には職場全体としても大きな成果をあげられそうだ。
おかげで読書とブログのほうはサボらざるをえなかったが、それでも映画『人生の特等席』だけは観に行った。新聞の紹介記事を読んだのがきっかけで、展開も結末もおおよそ見当がつき、実際そのとおりの内容だったけれど、☆☆☆★★は確実でしょう。★をもうひとつオマケしてもいいくらい。思わず苦笑いしたのは、まわりの観客がぼくたち夫婦と同じく、ほとんどジッチャン、バッチャンばかりだったこと。若い人は数えるほどしかいなかった。でも、とてもハッピーな気分になれる映画です。
それにくらべ、この "A Woman in Jerusalem" は、創作意図が読める(と錯覚する?)まで、正直言ってかなり退屈だった。「誰もがささいな問題で大騒ぎしている感を否めず、すべて茶番の連続としか思えない」と昨日のレビューに書いたとおりで、要は、こんな話どうでもいいじゃん。さりとて、今さら途中で投げ出すのももったいないし、というわけで読みつづけているうちに、ふと気がついた。そうか、「この不条理でこっけいな現実」こそ、じつは作者が描きたかったイスラエルの現実なのかもしれない。
そう考えると、「どうでもいい話」がつづくのも確かな計算が働いていることになり、それがまさしく本書の創作意図でもある。ネタを割るわけにはいかないが、「ヒューマニズムをからかった結末」からふりかえっても、この解釈でいいような気がする。
それにしても本書とは不幸な出会いだった。もっと時間のあるときに読みたかった。いつもながら、宮仕えの男はつらいよ、とぼやいている毎日です。