ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Married Love and Other Stories” 雑感 (2)

 きょうは御用納めのところが多かったと思う。大昔、毎年この日になると、今年の春に他界した父がいつもより早く帰宅して、すぐに家の大掃除に取りかかったことを思い出す。ぼくは父とちがって面倒くさがり屋だし、やっと仕事のピークは過ぎたといっても、先月以来の疲労がたまりっぱなし。とくに何もせず、ゴロゴロしていた。
 そういえば、ぼく自身は喪中葉書への返事など出したこともないが、ある友人に父の訃報を知らせたところ、なんとクリスマス・カードのかたちでお悔やみの言葉を頂戴した。「純粋な人なんだね」とかみさんも感激していたが、この場を借りてお礼を申し上げたい。読んでくれてるといいけど。
 ……などと、あだしごとを書きつらねているわけは、だいたいこんな調子で "Married Love ...." の各話が始まるからだ。共通するキーワードは、「人と人の絆」かもしれない。とりわけ、「家族の絆」かな。
 きのう粗筋を紹介した表題作は45歳も年が離れた夫婦の話で、絆のほかに当然、断絶も暗示される。第2話もそうで、主人公は Shelly という中年女性。清掃会社を営む友人の手伝いをしている。トイレ清掃のあいまに、アフガニスタンの戦地にいる息子のことをしきりに考える。感傷はほとんど皆無。それなのに、清掃をおえて帰宅する前のひととき、ふとながめた街の風景から、彼女の心情が間接的に伝わってくる。
 もう少し先へ進んでいるのだが、きょうは晩酌デーなのでおしまい。