ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Life After Life” 雑感 (1)

 ようやく新刊書が手元に届いた。オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の最終候補作、Kate Atkinson の "Life After Life" である。
 Kate Atkinson の作品を読むのは、"When Will There Be Good News?" [☆☆☆☆] 以来、4年ぶり2冊目だ。1995年にウィットブレッド賞を取ったデビュー作、"Behind the Scenes of the Museum" は恥ずかしながら未読。
 "When Will ...." はいわゆるジャケ買いで、読みはじめたらミステリだった。ミステリから遠ざかって久しいぼくだが、同書をえらく昂奮しながらクイクイ読んだことは、いまでもはっきり憶えている。きっと邦訳も出ているのじゃないかな。
 この "Life After Life" もジャケ買いに近い。去る3月、アマゾンUKで月間優秀作品に選ばれているのを見かけ、カバーにひと目ぼれ。内容紹介もちらっと読み、興味をそそられたが、もしまた "When Will ...." と同じくミステリだったらパスしようと思い、注文をためらった。
 やがて Women's Prize for Fiction のロングリストに選ばれ、ついで4月に入り、アメリカとカナダのアマゾンでも優秀作品に選ばれていることを知ったが、さらに我慢。先日の同賞ショートリストの発表を待って、ようやく入手した次第である。
 とまあ、満を持して読みはじめたかたちの本書だが、いまのところ、残念ながらカバーから期待したほどではない。クイクイ度は "When Will ...." よりずっと落ちる。
 内容の紹介は、ちとむずかしい。ミステリそのものではない(と思う)がミステリアスな設定があり、どこまでネタを割っていいのか迷ってしまう。もう少し目鼻がついてから書くことにしよう。