ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Dance of the Happy Shades” 雑感 (1)

 きのうの横浜は小雨模様、11月なみの肌寒さだったが、すでにチケットを予約をしていたので、仕事帰りに渡辺謙主演『許されざる者』を観に行った。とても重厚な作品で、オリジナル版より出来がいいのではないか。
 クリント・イーストウッドのほうは、たしか決闘場面がスカっとせず、結末もあまりピンとこなかった憶えがある。が、渡辺謙演じる人斬り十兵衛は、最初から負のヒーローとしてのキャラがしっかり確立され、それが決闘にも結末にもよく反映されている。心にしみるショットも多かった。
 帰宅後、一杯やりながら、以前BSで録画しておいた『ホームレス中学生』、それから『噂の寅次郎』を途中まで観たところでダウン。
 と、そこまでは楽しい(?)週末だったのだが、けさ起きると鼻水が止まらない。やっぱり、きのうの寒さが身体にこたえたようだ。ホント、歳はとりたくないものですな。
 さっそく風邪薬を服んだものの、こんどは眠くて仕方がない。午後になってようやく頭が元のボケ状態にもどり、Alice Munro の第1短編集 "Dance of the Happy Shades" を2話だけ読んだ。
 え、あんた、ずいぶん遅れてますなあ、という声が聞こえてきそうだが、純文学の読書歴の浅い(ほかのジャンルもたいしたことがない)ぼくの書棚には、積ん読中の名作秀作(だろうと思って買った本)がずらっと並んでいる。老後の楽しみがあっていい、と言うしかありません。
 Munro に取りかかった理由はまず、Eleanor Catton の "The Luminaries" がまだ手元に届かないからだ。場つなぎに John Williams の "Stoner" を読んだあと、あれこれ手を出してみたが、場つなぎという動機が不純なせいか、どうもしっくり合うものがない。
 仕方なく、"Stoner" が1965年の作品だったので、いっそ古典つながりはどうかと Munro の処女作(1968)に落ちついた。Munro なら確実に楽しめるはずだ。
 実際……と原文を引用しようと思ったが、なんともう夜の9時過ぎだ。そろそろ眠くなってきたので、きょうはこのへんで。