ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

“Five Women” 雑感 (1)

 先週は、企業戦士というほどではないが連日残業。土曜日も夕方まで職場に残って仕事に励んでいた。そこできのうはひと休み。少しずつ観ていた映画『地獄の黙示録』をやっと観おわった。ブルーレイの劇場公開版である。
 さすがに画質はいい。中身は、まあ、ご存じのとおりですな。観たのはたぶん、これで4回目くらいだが、何度観ても、ウィラード大尉がカーツ大佐のいる村に到着してからガクっとつまらなくなる。それまでは1日1エピソード、最悪の鑑賞法でも十分おもしろい。
 閑話休題。電車やバスの中で、こちらも少しずつ進んでいるのが Robert Musil の短編集 "Five Women"。ほんとうは季節柄、各メディア選出の年間ベスト作品を読むべきなのかもしれないが、今年は夏ごろから失速したこともあり、おなじみ http://www.fictionawardwinners.com/ のリストをながめてもイマイチ食指が動かない。何ら必然性のないパラレルワールドを描いた Kate Atkinson の "Life after LIfe" [☆☆☆★] が第1位だなんて、世の中、趣味のちがう人が多いものだとしか言いようがない。
 それより、読んだばかりの Paul Auster の自伝、"Report from the Interior" に出てきた Robert Musil の名が気になった。高校生のころ、田舎の本屋で見かけた『特性のない男』という本の題名がなぜか心に残り、その後、大作家の代表作と判明。数年前、"The Man without Qualities" 全2巻を買い求めたものの、そのボリュームに恐れをなし、いまだに積ん読中。死ぬまでに読めればいいな、とあきらめ加減である。
 同書はとてもじゃないが読むヒマがないので、せっかく Auster 先生に触発されたのだから、せめて、やはり積ん読中だった短編集だけでも読んでみようと思った。
 "Five Women" というタイトルだが、実際は第1部が "Three Women" と題され、"Grigia", "The Lady from Portugal", "Tonka" という3編から構成されている。第2部は "Unions" で、"The Perfection of a Love" と "The Temptation of Quiet Veronica" の2編。そう、ほんとうに読みたいのは後半です。
 ……と、ここまで書いたところで睡魔が襲ってきた。じつはきょうも残業で疲労困憊気味。内容の紹介はまた次回にしよう。