きょう、突貫工事の仕事がようやく片づいた! 昨年の大晦日、大まかな土台作りの Phase 1 が終了。その後、正月はもっぱらヒッチコックの映画を観て過ごし、御用始めからきょうまで、細かい仕上げの Phase 2 に取り組んでいた。
そのかん、読書生活のほうはサッパリだったが、本書でいちばん読みたかった短編のひとつ、"The Perfection of a Love" だけは先日読みおえていた。メモを見ながら、気のついたことを少しまとめておこう。
"The Perfection of a Love" とはまたすごいタイトルだが、題材としては不倫話。夫のいる女が旅先で男と出会い、どうやら関係しそうなところで終わる。
こう書くと、なんだ、お決まりの話じゃん、と思われるかもしれない。ぼく自身、たしかにそうなんだけどね、という気もする。が実際、読んでいる最中はページをめくる手を止め、しばし考えこむことが多かった。
そんなとき、ふと思い出したのが往年の名画『去年マリエンバートで』。ぼくはあれを勝手に〈形而上学的ミステリ〉映画と呼んでいる。ヒッチの映画がサスペンスの王道とすれば、こちらは初見のとき、なるほど、こんなミステリもあったのかと感心した。ひと言でいえば、人間の存在そのもののミステリ。
もちろん、この "The Perfection of a Love" はミステリではない。ジャンルとしては、上のとおり、大ざっぱに言うと恋愛小説である。
ぼくが言いたいのはこういうことだ。少なくともこの数年、英語で読んだ "Anna Karenina" や "Madame Bovary" など、いわば王道の恋愛小説を思い起こしてみると、当たり前の話だが、そこには必ず、惚れたハレたの要素がある。ところが、この "The Perfection of a Love" の場合、そんな要素は二の次三の次かもしれない、と思えるフシがあるのだ。なるほど、こんな恋愛小説もあったのかと感心したのである。
……久しぶりにブログを書くと、思わせぶりな駄文を綴っただけで、もう疲れてしまった。きょうはおしまい。