ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Patrick Modiano の “Paris Nocturne”(4)

 本題に入るのがすっかり遅れてしまった。宮仕えの男はつらいよ、というやつで、このところ思うように本を読んだり、駄文を綴ったりする時間がなかなか取れない。
 そこで今までの記事をふりかえってみた。ゴンクール賞ノーベル賞?何をいまさら周回遅れの記事を書いてるんだい、と呆れた声がきこえてきそうですな。
 あしからず。なにしろ、内容も確かめずにジャケ買いした本が、久しぶりに☆☆☆☆の秀作。しかも、恥ずかしながら、Modiano?誰それ?という状態だったのに、調べてみると、ぼくにとっては久しぶりのゴンクール賞作家、久しぶりのノーベル賞作家。これが興奮せずにいられましょうか。
 それにしても、"Paris Nocturne"って、いいタイトルだなあ。ぼくは中学1年生のとき、学校の図書館にあった新潮社版の世界文学全集で、『青い麦肉体の悪魔』という一巻を見つけ、スケベ心を起こして読んだのが本格的な?文学入門。以来、おフランスには弱いざんす。
 おまけに、カバー写真がまた、ため息をつきたくなるほどいい。このタイトルでこのカバー。読みたくならなかったら文学ファンじゃありませんぞ。
 ところがなんと、wiki によると邦訳はまだ出ていないようだ。ウソでしょ、と言いたくなる。
 ああ、きょうもくだらないことばかり書いてしまった。結論。どうやらぼくは "Modianesque"(モディアノ中毒)にかかってしまったようです。
(写真は、宇和島市堀部公園の頂上。撮影時は花曇りだったが、ぼくは退職したら、いつか晴れた日に、この石に腰掛けてのんびり本を読もうと思っている。その日のことを思い浮かべただけでホッコリする)