ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Victoria Connelly の “Love in an English Garden”(1)

 きょうは LJ Ross の "Holy Island" について若干補足しようと思っていたが、先ほど、Victoria Connelly の "Love in an English Garden"(2017)を読了。印象が薄れないうちに、早いところレビューを書いておこう。

Love in an English Garden

Love in an English Garden

[☆☆☆★★] 和解と再生の喜びに満ちたハートウォーミングな佳作。悪人もいるにはいるが主役ではなく、基本的に善人ばかり登場するとか、最初の出会いだけでその後の展開がだいたい読めるといった「欠点」には目をつぶろう。するとしばし、至福のひとときを過ごすことができる。こういう愛の園が実際にあるのでは、あってほしいものだと思いたくなる。舞台はサセックス州の田舎町。夫の病没後、マナー・ハウスの維持に手を焼いた女主人、ヴァネッサが邸宅の半分を売却。購入したのは、味気ない都会生活に見切りをつけた金融コンサルタントのローレンス。家計の安定したヴァネッサは、荒れ放題だった邸内の広い庭園の手入れを思い立ち、非行少年たちの更生に取り組む庭師のマーカスに仕事を依頼する。この3人を中心に、それぞれ配偶者や肉親の死、夢や愛の挫折など人生の試練に遭遇した人々が出会い、衝突を繰り返すうちにやがて和解が始まり、新たな愛が芽生える。美しい田園、マナー・ハウスとその庭園という定番の舞台にふさわしい、定番のおセンチな愛の物語と侮るなかれ。思い屈した夜に読むと間違いなく、泣ける。