ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Kiran Desai の “The Loneliness of Sonia and Sunny”(2)

 ああ、ガックリ!
 先日、退院してはじめて再診、血液検査をうけたころ、相変わらず悪玉コレステロールが基準値以上だったため、高額医療の注射が必要との診断だった。食事や運動その他、あんなにがんばったのになぁ。
 それどころか再手術の可能性まで示唆され、二度ガックリ。心臓カテーテル手術そのものより、あの導尿カテーテルのほうがトラウマになっているからだ。若くてかわいい看護婦さんにモノをつかまれ、むりやりカテーテルをいれられた、と書くと愉快な体験に聞こえるが、じっさいは思い出すだけで腰が引け、痛みまで走りそう。なんせ血尿が出ましたからな。え、あんたのモノがちいさすぎたんでしょ? 余計なお世話です!
 一方、表題作は超ビッグサイズ。ひと目で戦意喪失したものだ。上のショックから少し立ち直り、きのうからやっと読みはじめた Susan Choi の "Flashlight"(2025)もかなりのデカ本で、Desai のものといい勝負。ただの勘だけど、出来ばえも同じくらいか。
 勘といえば、じつはロングリストの段階から、今年はたぶん Kiran Desai が二度めのブッカー賞受賞だろうと思っていた。前作 "The Inheritance of Loss"(2006 ☆☆☆☆★)がとてもすばらしかったからだ。

 そこで一念発起、なんとか発表日までに読みおえようとがんばった。しかし長かった。ある現地ファンもこんなコメントを寄せている。I just started Desai but won't finish for couple of months. 
 へえ、ネイティヴでもそうなんや、と気を取りなおし、いちおう目標達成。ほっとしたところで受賞結果をチェックすると、な、なんと、みごとに落選しているではないか! その後のぼくの体調とは、皮肉な「ショックつながり」でしたね。
 本書が長大な作品となった理由について、作者自身、登場人物に説明させているのでは、と思われるくだりがある。ダブル主演のひとり Sonia はこう述懐している。Could the notes for this magazine article be toward writing a novel?  When you became a real artist, all roads led to your art: the people, the landscape, the news, the gossip, the suppressed shame, the dream, the flutter in the night of a pelican who should have flown north!  A writer itched and itched to put everything into a book, or it became unbearable, the tingling. She thought it was almost too late to reclaim all she experienced before it vanished into oblivion.(p.507)
 ふっ、要は A writer itched ..... a book って話なのにこの長さ。コピーするだけで疲れた。ほかに引用したい箇所もあったけど、きょうはここまで。(つづく)

ベートーヴェンピアノソナタ全集を聴きなおしている。バックハウスにつづき、いまはシュナーベル。じっさいは Dante 盤だけど、なぜかアップできなかった)