ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

Patrick Gale の中間報告

 今日もアマゾンUKでベストセラーになっている(fiction 部門64位) Patrick Gale の "Notes from an Exhibition" をぼちぼち読んでいるのだが、ボケ+風邪+多忙の三重苦のため、まだしばらく時間がかかりそうだ。少し前、「今のところ、かなり気に入っている」と書いたが、通勤電車の中でゆっくり読んでいるせいか、その後やや飽きてきた。
 「故植草甚一なら『なんだか、とてもしゃれてる本だなあ、と感心してしまった』とでも書きそうだ」と前に述べたのは、各章の構成にちょっとした工夫がほどこされているから。まず始めに、主人公の物故した女流画家の遺作や遺品に関する説明があり、どれも故人を偲ぶ展覧会の展示品であることが分かる。そのあと、それぞれの品にかかわる背景の中で、画家および画家の家族の過去と現在が次第に明らかになる。前に同じような構成の本を読んだこともあるような気がするが思い出せない。
 久しぶりに接する展開の仕方で、途中までは「かなり気に入ってい」たのだが、ずっと同じパターンが続くので少々モタレ気味。画家にまつわる意外な真実が暴露されそうな予感があり、これが伏線かな、と気になる記述にもお目にかかる。が、もしその予感が正しいなら、もう少しミステリアスな展開でないと、三重苦のぼくは興味を持続させるのがむずかしい。あと半分足らずなので、後半を期待しよう。