ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

ピューリツァー賞

Joshua Cohen の “The Netanyahus”(2)

なんでやねん! "The Colony" がブッカー賞ショートリスト落選とは! 下馬評ではロングリストの発表前から1番人気だっただけに、ぼく同様、この結果にびっくりした現地ファンも多かったようだ。いったい、なにが起きたのだろうか。 とそう疑いたくなるのは…

Joshua Cohen の “The Netanyahus”(1)

今年のピューリツァー賞受賞作、Joshua Cohen の "The Netanyahus"(2021)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 The Netanyahus: An Account of a Minor and Ultimately Even Negligible Episode in the History of a Very Famous Family 作者:Cohen, …

2021年ぼくのベスト小説

今年ももう大晦日。いつもぼんやり過ごしているうちに、いつのまにか年間ベスト小説を選ぶ日が来てしまった。 家の大掃除がおわったところでEXCELの読書記録をながめると、昔の大作を片づける、という新年の目標は春ごろに早くも挫折。以後、ピューリツァー…

Donna Tartt の “The Goldfinch”(2)

今年ももうあと3ヵ月足らず。年始にぼんやり立てた読書計画の狂いが気になってきた。2000年以降の有名な作品、それもなるべく大作巨編を片づける、というのが目標のひとつだったのだけど、2月から4月にかけて、"The Amazing Adventures of Kavalier & Cla…

Donna Tartt の “The Goldfinch”(1)

2014年のピューリツァー賞受賞作、Donna Tartt の "The Goldfinch"(2013)を読了。周知のとおり、これは2019年に映画化されたが日本では未公開。ただし Amazon Prime Video では鑑賞できるようだ。邦題は『ザ・ゴールドフィンチ』。さっそくレビューを書い…

Louise Erdrich の “The Night Watchman”(2)

Louise Erdrich を初めて読んだのは、もう15年くらい昔のことだ。いま思い出すと、たしかそのころはジャケ買いにハマっていて、なにかの作品の関連本を検索しているうちに魅力的なカバーを見かけると、内容もたしかめず即買い。そんなふうにして出会ったのが…

William Faulkner の “The Reivers”(2)

いまでこそ、「なにから読むか、フォークナー」などと気どったタイトルの記事を本ブログに載せているが、じつは Faulkner を英語で読むようになったのは2000年の夏から。そう遠い昔ではない。 高校時代には翻訳で『八月の光』その他を読んでいたものの、大学…

Louise Erdrich の “The Night Watchman”(1)

今年のピューリツァー賞受賞作、Louise Erdrich の "The Night Watchman"(2020)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 The Night Watchman: Winner of the Pulitzer Prize in Fiction 2021 作者:Erdrich, Louise Little, Brown Book Group Amazon [☆☆☆…

William Faulkner の “The Reivers”(1)

William Faulkner の最後の長編 "The Reivers"(1962)を読了。Faulkner は本書の刊行後に他界したが、翌1963年、本書で "A Fable"(1954 ☆☆☆★★★)以来二度目のピューリツァー賞受賞。1969年には、"The Reivers" はスティーヴ・マックィーン主演で映画化され…

2021年ピューリツァー賞発表 Lydia Millet の “A Children's Bible”(2)

あああ、先日の国際ブッカー賞につづいて、ピューリツァー賞も予想が外れてしまった。といっても、本気で当てようと思っていたわけではなく、P Prize.com のランキングで上位の作品を4冊読んだだけ。 そのなかで、いちおう "Deacon King" に期待していたの…

James McBride の “Deacon King Kong”(2)と今年のピューリツァー賞予想

去る17日、ぼくと同じように、え?と驚いたひとがいるかもしれない。当日届くはずだった David Diop のペイパーバック版 "At Night All Blood Is Black" が、なぜか1ヵ月先に到着延期との知らせ。あわててキャンセルし、出品しているイギリスの店に発注しな…

Lydia Millet の “A Children's Bible”(1)

Lydia Millet の "A Children's Bible"(2020)を読了。周知のとおり昨年の全米図書賞最終候補作で、ニューヨーク・タイムズ紙選年間ベスト5小説のひとつでもある。また P Prize. com の予想では、今年のピューリツァー賞「候補作」第3位にランクイン。さ…

Brit Bennet の “The Vanishing Half”(2)

今年の国際ブッカー賞最終候補作、Benjamín Labatut の "When We Cease to Understand the Word"(2020)を読んでいる。原題は "Un Verdor Terrible"(2019)。スペイン語からの英訳である。なかなか面白い。現地ファンの下馬評では1番人気のようだ。 カバ…

James McBride の “Deacon King Kong”(1)

きのう、James McBride の "Deacon King Kong"(2020)を読了。周知のとおり、ニューヨーク・タイムズ紙が選んだ昨年の年間ベスト5小説のひとつである。また P Prize. com の予想によると、ニューヨーク時間で明日4日に発表される今年のピューリツァー賞「…

Richard Russo の “Empire Falls”(2)

絶不調というほどではないが相変わらず不調。胃の痛みはまだ少し残っているし、風邪のほうも喉の痛みはなくなったものの、こんどは咳が出るようになった。喘息が再発しなければいいのだけど。 というわけで今週も読書はまったりペース。ご存じ Maggie O'Farr…

Brit Bennet の “The Vanishing Half”(1)

胃のほうは薬のおかげでだいぶ痛みが治まってきたのだけど、こんどはまた風邪をひいてしまい、まるで変声期のようなガラガラ声。微熱の一歩手前のような熱もある。コロナでないことを祈るばかりだ。 ともあれ、上の事情でボチボチ読んでいた Brit Bennet の …

Richard Russo の “Empire Falls”(1)

この二週間ほどずっと胃が痛く、休み休みの読書になってしまった。きょう診察してもらったところ、どうやら逆流性食道炎の再発らしい。薬が効きはじめるまで我慢するしかなさそうだ。なにはともあれ、きのう Richard Russo の "Empire Falls"(2001)をやっ…

Jeffrey Eugenides の “Middlesex”(2)

これも長年の宿題だった。"The Amazing Adventures ...." や "The Corrections" ほどではないにしろやはり大作で、昔のピューリツァー賞受賞作(2003)。ぼくにとっていちばん積ん読になりやすいパターンだ。現代文学の場合、リアルタイムで読まなかった分厚…

Jeffrey Eugenides の “Middlesex”(1)

2003年のピューリツァー賞受賞作、Jeffrey Eugenides の "Middlesex"(2002)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Middlesex: A Novel (English Edition) 作者:Eugenides, Jeffrey 発売日: 2002/09/04 メディア: Kindle版 [☆☆☆★★]「私は二度生まれた。…

Jonathan Franzen の “The Corrections”(2)

ついに風邪をひいてしまった! たぶんコロナではなく(そう思いたい)、どうも孫からもらったものらしい。孫のほうはもうケロっとしているのだけど、ぼくはまだ頭が痛い。血圧のせいかもしれない。 おかげで、"Middlesex" は足踏み状態。しかも振り返ってみ…

Michael Chabon の “The Amazing Adventures of Kavalier & Clay”(2)

Jeffrey Eugenides の "Middlesex"(2002)をボチボチ読んでいる。ご存じ2003年のピューリツァー賞受賞作だ。孫の世話(けっこう疲れる)その他、なにかと雑用が入り思うように進まないが、なかなか面白い。 同書も2001年に同賞を受賞した表題作(2000)も、…

Jonathan Franzen の “The Corrections”(1)

2001年の全米図書賞受賞作、Jonathan Franzen の "The Corrections" を読了。本書はまた2002年のピューリツァー賞最終候補作でもある。さっそくレビューを書いておこう。 The Corrections (English Edition) 作者:Franzen, Jonathan 発売日: 2010/09/21 メデ…

Michael Chabon の “The Amazing Adventures of Kavalier & Clay”(1)

数日前、Michael Chabon の "The Amazing Adventures of Kavalier & Clay"(2000)を読みおえたのだが、体調その他、諸般の事情でブログを更新する時間がなかなか取れなかった。ご存じ2001年のピューリツァー賞受賞作である。はて、どんなレビューになります…

Colson Whitehead の “Nickel Boys”(2)

クラシック・ファンならご存じのとおり、きょうはモーツァルトの命日。ぼくも先ほどまで、手持ちのレクイエムを流しながら、2018年の Shadow Giller 賞受賞作、Eric Dupont の "Songs for the Cold of Heart"(2012)を読んでいた。 Shadow Giller 賞とは、…

Colson Whitehead の “The Nickel Boys”(1)

さる7日、某大手通販会社からのメールに驚いたひともけっこういるのではないか。今年のブッカー賞最終候補作のひとつ、"Real Life" のペイパーバック版が今月初めに日本でも発売され、7日までに到着という運びになっていた。ところが同日、なんの理由説明…

William Faulkner の “A Fable”(1)

ゆうべ、William Faulkner の "A Fable"(1954)を読了。1955年のピューリツァー賞および全米図書賞受賞作である。さっそくレビューを書いておこう。 A Fable (Vintage International) (English Edition) 作者:Faulkner, William 発売日: 2011/05/18 メディ…

文学と政治:Rebecca Makkai の “The Great Believers” (2)

大型連休前半終了。ぼくは前回の記事を書いたあと、初孫のショウマくんともども、愛媛の田舎に帰省していた。ホームに入寮中のひいばあちゃんにショウマくんを会わせるためである。 田舎はあいにく雨続き。一枚だけ撮った風景写真は、宇和島市内の道の駅〈き…

2019年ピューリツァー賞発表

アメリカ東部時間で4月15日午後3時、今年のピューリツァー賞(本ブログではいままで「ピューリッツァー賞」と表記していましたが、今回から『ロングマン英和辞典』の表記に改めました)が発表され、小説部門では、Richard Powers の "The Overstory"(2018…

Rebecca Makkai の “The Great Believers”と今年のピューリツァー賞予想

ゆうべ、Rebecca Makkai の "The Great Believers"(2018)を読了。周知のとおり、これは昨年のニューヨーク・タイムズ紙選ベスト5小説のひとつである。ぼく自身、これで同紙のベスト5小説は久しぶりにぜんぶ読んだことになる。さっそくレビューを書いてお…

Tommy Orange の “There There”(2)

このところ〈自宅残業〉の毎日だが、きょうは意外に早くノルマを達成。余裕ができたのでドラ息子の誘いに乗り、初孫のショウマくんともども、横浜・大岡川ぞいの桜並木を見物しに出かけた。あいにくパッとしない空模様だったけれど、これなどは比較的よく撮…