ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Peter Matthiessen の “Shadow Country”(1)

2008年の全米図書賞受賞作、Peter Matthiessen の "Shadow Country" をやっと読了。The Watson Trilogy の合冊リメイク版で、合冊前の旧題は、第1部 "Killing Mister Watson"(1990)、第2部 "Last Man's River"(1997)、第3部 "Bone by Bone"(1999)。…

"Shadow Country" 雑感(2)

ブッカー賞ロングリストの発表が迫ってきた(ロンドン時間28日)。例によって現地ファンのヒートアップぶりは相当なものだが、ぼくは今年は1冊しか〈ロングリスト候補作〉を読んだことがないので("The Mirror & the Light" ☆☆☆★★)、個人的にはまったく盛…

"Shadow Country" 雑感

けさ弟からの電話で知ったのだが、ぼくのふるさと愛媛県宇和島市でも初めて新型コロナウィルス感染者が出たらしい。京都から帰ってきた大学生という話だが、なにしろ商店街でも昼間からシャッターを下ろしている店が目だつ、元からみんな外出自粛しているよ…

William Faulkner の “A Fable”(4)

そろそろまじめに落ち穂拾いをしておこう。第一次大戦の末期、西部戦線で仏軍連隊の伍長が突撃命令に従わなかったことをきっかけに奇妙な停戦がはじまり、老将軍が伍長を尋問。将軍は、伍長が全軍に及ぼす重大な影響力を認め、その立場を失墜させるべく戦場…

William Faulkner の “A Fable”(3)

きのう、恥ずかしながらロジェ・ヴァディム監督の『危険な関係』を初めて観た。まさにキケンな映画ですな。不倫ゲームがやがてゲームでなくなるなか、遊びにしろ本気にしろ、ジャンヌ・モローはどちらもみごとに演じ切っている。こんなに芸域の広い女優は、…

William Faulkner の “A Fable”(2)

その後、腰の違和感はだいぶ薄らいできたものの、曾野綾子の言うとおり「すべての変化は予兆」。将来ほんとうに恐ろしいことになるかもしれない。そうならないよう、毎日ストレッチに励んでいる。 腰が気になり読書から遠ざかっているあいだ、これもやはり予…

William Faulkner の “A Fable”(1)

ゆうべ、William Faulkner の "A Fable"(1954)を読了。1955年のピューリツァー賞および全米図書賞受賞作である。さっそくレビューを書いておこう。 A Fable (Vintage International) (English Edition) 作者:Faulkner, William 発売日: 2011/05/18 メディ…