ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2012年ぼくのベスト5小説

ぼくの〈娯楽人生〉、今年の下半期は諸般の事情で先月なかばから失速。おかげで充実感がまったくない。それでも数えてみると、上半期より1冊だけ多く読んでいた。 そのうち、☆☆☆☆以上は9冊で、全体の3割近くある。ただし現代小説、それもこの2年以内に出…

Tessa Hadley の “Married Love and Other Stories” (1)

Tessa Hadley の短編集 "Married Love and Other Stories" を読了。米アマゾンが選んだ今月の優秀作品のひとつである。さっそくレビューを書いておこう。Married Love: And Other Stories (P. S.)作者: Tessa Hadley出版社/メーカー: Harper Perennial発売日…

“Married Love and Other Stories” 雑感 (2)

きょうは御用納めのところが多かったと思う。大昔、毎年この日になると、今年の春に他界した父がいつもより早く帰宅して、すぐに家の大掃除に取りかかったことを思い出す。ぼくは父とちがって面倒くさがり屋だし、やっと仕事のピークは過ぎたといっても、先…

“Married Love and Other Stories” 雑感 (1)

読書もブログもサボっているうちに、数えてみたら11冊も本が届いていた。どれも英米の各メディアが選んだ今年の優秀作品だが、すでにある積ん読の山がますます高くなるばかり。それなのに、よろず調子はさっぱり上がらない。このところ、とみに年齢を感じて…

Ismail Kadare の “The Ghost Rider” (2)

先週末まで仕事に明け暮れた。秋口からの総括、年明けからの準備。ふだん給料ドロボーのぼくにしては、けっこうがんばったほうだ。おかげで、おしまいには血圧が上がり、活字を読むとなんだかめまいがするので、クリスマス連休は休養に徹し、というと聞こえ…

Ismail Kadare の “The Ghost Rider” (1)

諸般の事情で長らく読書もブログもサボっていたが、きょう改めて Ismail Kadare の "The Ghost Rider" に取り組み、なんとか読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。The Ghost Rider作者:Kadare, IsmailCanongate BooksAmazon[☆☆☆★★] 中世アルバニアの…

“The Ghost Rider” 雑感

ベストテンの季節だが、とりあえず Ismail Kadare の "The Ghost Rider" をボチボチ読んでいる。これも先月読もうと思っていた本で、半月以上も予定がずれこんでしまった。 Kadare の作品を読むのはこれで3冊目。夏に "The Palace of Dreams" を読んだあと…

Colm Toibin の “The Testament of Mary” (2)

連日の疲労のせいか風邪をひきなおし、きょうは早退。寝床にもぐりこむ前に本書の落ち穂拾いをしておこう。 きのうのレビューを読むと、ぼくがいかにもキリスト教に造詣が深そうな印象を受けるかもしれないが、すべて他人の受け売りと、にわか勉強の成果。キ…

Colm Toibin の “The Testament of Mary” (1)

きのう家に帰ったあと、Colm Toibin の最新作 "The Testament of Mary" を読みおえたが、レビューを書く時間は取れなかった。きょうも仕事でグッタリしているが、印象が薄れないうちにレビューを書いておこう。(追記:本書はその後、2013年のブッカー賞最終…

“The Testament of Mary” 雑感

カタツムリ君のペースで本を読んでいるうちに、いつのまにかベストテンの季節になってしまった。ニューヨーク・タイムズ紙、ガーディアン紙、タイム誌、パブリシャーズ・ウィークリー誌、英米アマゾンなどのリストをながめると、毎度ながら読み洩らしている…

A. B. Yehoshua の “A Woman in Jerusalem” (2)

去年もこの時期は大忙しだったが、今年はそれに輪をかけて忙しい。きょうも先ほど帰宅したばかりだ。 ずっと同じ部署なので同じように仕事をこなしてもいいんだけど、と思いつつ、自分なりにアップデートを心がけているのも多忙の一因だろう。しかしその甲斐…

A. B. Yehoshua の “A Woman in Jerusalem” (1)

このところ超多忙の毎日で、すっかり読書もブログもサボってしまった。おかげで当初の予定が大幅に遅れたが、少しずつ読んでいた2006年のロサンジェルス・タイムズ紙最優秀小説賞の受賞作、A. B. Yehoshua の "A Woman in Jerusalem"(2004, 英訳2006)をよ…