2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日の続きで、今度は一昨年のブッカー賞のショートリストに残った6作品の「格付け遊び」をしてみることにした。この年は発表前に全候補作を読了。"Mister Pip" を本命に推したが大外れ。今ふりかえると、"Darkmans" のほうに魅力を感じる。いつの日記に感…
ふだんは土曜出勤だが今日は珍しく休み。「自宅残業」を始める前に日記をつけることにした。といっても、Philip Hensher の "The Northern Clemency" については、12回にわたる雑感と昨日のレビューで言いたいことはほぼ言いつくしている。そこで今日は、同…
昨日の雑感に書いたように、去年のブッカー賞最終候補作で唯一読みのこしていた Philip Hensher の "The Northern Clemency" をようやく読了したので、例によって今までの雑感をもとにレビューを書いておこう。The Northern Clemency作者: Philip Hensher出…
やっと読みおえた! 途中、二度も中断したので1ヵ月近くかかってしまったが、じっくり腰をすえて取り組んだとしても、ぼくの実力では軽く1週間は要したことだろう。英米の小説でこんなに長い作品を読んだのは、2年前のブッカー賞候補作、Nicola Barker の…
時間が取れれば、何とかあと1日で読みおわりそうなところまで漕ぎつけた。(ハアハア)。「錯綜、また錯綜!」と連日悩まされた本書だが、さすがに結末が見えてきたような気がする。と同時に、この作品の本質もちらついてきた。 これだけ長大な小説の場合、…
今日はまず、仕事の合間に今までのメモを読みかえし、第1部から第3部までの内容をふりかえってみた。そこで初めて気づいたのだが、本書はひょっとしたら、二つの家族を中心にすえた断片的なファミリー・サーガかもしれない。 「錯綜、また錯綜!…これほど…
今日は久しぶりに文学好きの某女史と話をする機会に恵まれたが、聞けばぼく以上に超多忙で、ジュンパ・ラヒリの『見知らぬ場所』はまだ第一部しか読んでいないとのこと。それでもだいぶ気に入ってもらえた様子で、ホッとひと安心。この人は突っこみが鋭くて…
長いことブログをサボってしまった。この1週間は超多忙で、夜中まで「自宅残業」に追われることが多く、ストレスがたまりっぱなし。無職で困っている人から見れば贅沢な悩みかもしれないが、さほど好きでもない仕事を朝から晩までやらざるをえないのもシン…
1週間以上もあちこち持ち運んでいるせいで、分厚いペイパーバックの背表紙がだいぶ痛んできた。あとまだ、普通の本なみの分量が残っている。はてさて、いつになったら読み終わるのか…。 雑感(6)でも書いたが、とにかくこれは「伝統的なリアリズムに立脚…
昨日、英連邦作家賞の発表があり、最優秀作品賞はオーストラリアの Christos Tsiolkas の "The Slap" が受賞した。http://www.commonwealthfoundation.com/culturediversity/writersprize/cwp/2009%20prize/2009overallwinners/ 例によって知らない作家の知…
錯綜、また錯綜! 「一種の家庭小説と言えば間違いないだろう」と書いた昨日の予想はものの見事に外れ(?)、本書のテーマはおろか、主筋さえも杳としてつかめない。今までかなりケッタイな小説もずいぶん読んできたつもりだが、伝統的なリアリズムに立脚し…
突然、それは始まった。あとで考えれば当然予測すべきだったが、何しろ饒舌な文体に翻弄されてしまい、またいつものダイグレッションかと高をくくっていたら、気がついたときには作中人物同様、事件の渦中に巻きこまれていた。 …何だか思わせぶりなものの言…
第2部は今のところ、ロンドンからシェフィールドに引っ越してきた家族のメンバーが主役。第1部にも登場した面々だが、今ふりかえっても、引っ越しの実況中継の意味がよく分からない。何らかの伏線とも考えられるが、どうも単なるダイグレッションだったよ…
やっと面白くなってきた! 第1部は要するに夫婦の痴話喧嘩(?)で、犬も食わない話のはずなのに、そこから派生するエピソードがドタバタ喜劇調。帰りの電車の中で思わず噴きだしそうになった。 自宅で町内親睦会を催した妻は、何かにつけて花屋の主人の話…
今日は文字どおり blue Monday。えらく疲れた。Philip Hensher の "The Northern Clemency" に再び取りかかったが、さっぱり進まない。ひとつには、『ジーニアス』並みに分厚い本ということで持ち運びに不便。おまけに、英語もちょっとむずかしい。難解とい…
いやはや、とんだ連休だった。当初のもくろみでは Philp Hensher の "The Northern Clemency" を読破するはずだったが、完全に中断。結局、「自宅残業」に明け暮れ、文学とはまったく縁のない毎日だった。 うれしかったのは、四万十市にいる畏友から久しぶり…
勤務先の関係で、今日から待望の連休。本来なら読書三昧と行きたいところだが、夕方近くまで「自宅残業」。何のことはない、職場にいるようなもので、宮仕えのつらいところだ。 ともあれ、前から読もうと思っていた Philip Hensher の "The Northern Clemenc…
読みおわったとき、涙がじわっと出てきた。今年の正月に『寅次郎ハイビスカスの花』を観て、この映画と同じくらい「感情移入させられるような小説を今年は読みたいものだ」と書いたが、ようやくそんな作品にめぐり逢えた思いがする。さいわい翻訳が出ている…
今日は日曜なのに出勤。職場でジュンパ・ラヒリの新作 "Unaccustomed Earth" を読みおえ、仕事の合間にこっそりレビューを書きあげた。Unaccustomed Earth作者:Lahiri, Jhumpa発売日: 2009/04/01メディア: ペーパーバックUnaccustomed Earth (Vintage Contem…
Elizabeth Strout の "Olive Kitteridge" に寄り道したおかげで長らく中断していたジュンパ・ラヒリの新作に再び取りかかった。そんな「芸当」ができるのも短編集のメリットのひとつだが、全体の印象がぼやけてしまう恐れがある。さりとて最初から読み直すの…