2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ご存じフランスのノーベル賞作家、Patrick Modiano の "Villa Triste"(1975)を読了。さっそくレビューを書いておこう。Villa Triste: A Novel作者:Modiano, PatrickOther PressAmazon[☆☆☆★★] あの夏、ぼくは18歳。アルジェリア戦争の災禍を逃れ、遠くにス…
Lawrence Durrell の "Mountolive"(1958)を読了。周知のとおり、"Justine"(1957)に始まる Alexandria Quartet の第三巻である。さっそくレビューを書いておこう。Mountolive (Alexandria Quartet)作者:Durrell, LawrencePenguin BooksAmazon[☆☆☆☆★★] 驚…
いつかも書いたが、これは読んでいる最中から「旧大英帝国産の馬の中では最高の仕上がり」と思っていた。読後の感想もそのとおり。レビューで指摘したような欠点はあるものの、本書がブッカー賞のショートリストに入選したのは順当な結果でしょうね。 巻頭の…
今年の全米批評家協会賞受賞作、Joan Silber の "Improvement"(2017)を読了。さっそくレビューを書いておこう。Improvement作者:Silber, JoanCounterpoint LLCAmazon[☆☆☆★] 人生に迷っているひとが読めば心が晴れるかもしれない自己啓発小説。ただし、目か…
ロンドン時間で20日、ブッカー賞のショートリストが発表された(この記事は21日付ですが、実際は20日に書きました)。今年はロングリストに入選した全13作のうち10作を読了。「文学老人」にしては、久しぶりにがんばりました。 ロングリストのランキングは7…
きのう、Lawrence Durrell の "Balthazar"(1958)を読了。周知のとおり、"Justine"(1957)に始まる Alexandria Quartet の第二巻である。さっそくレビューを書いておこう。Balthazar (Alexandria Quartet)作者:Durrell, LawrencePenguin BooksAmazon[☆☆☆☆★]…
この連休中、法事で福井に出かけた。あいにく雨模様だったが、宿泊した芦原温泉近くの東尋坊を訪れたときだけ、さいわい晴れ間がのぞき、初めて見る奇観に文字どおり目を奪われた。 タクシーの運ちゃんの話によると、サスペンスドラマの帝王も女王もまだ東尋…
去る7月、Joyce Carol Oates の Wonderland Quartet の掉尾を飾る "Wonderland"(1971 ☆☆☆★★★)を読みおえたとき、こんどはいよいよ Alexandria Quartet だな、と心に決めていた。そもそも、積ん読の山の中で質量ともに大山塊とも言うべきこの4部作の攻略…
今年のブッカー賞候補作、Robin Robertson の "The Long Take"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)The Long Take: Shortlisted for the Man Booker Prize作者:Robertson, RobinPicador…
今年のブッカー賞候補作、Anna Burns の "Milkman"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)Milkman作者:Burns, AnnaFaber & FaberAmazon[☆☆☆★★★] 多くの人びとが誤情報や偽情報を真実と見…
ブッカー賞レースにアメリカ馬が参戦するようになったメリットのひとつとして、ベストセラーリストの上位以外でも、アメリカのすぐれた新作小説に出会う機会が増えた、ということがあるかもしれない。アマゾンUSやニューヨーク・タイムズのリストをチェック…