ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Don Delillo の “Underworld”(3)

世間はきのうで仕事納めという人も多いだろう。ぼくもいちおう休暇中なのだけど、自分で企画した仕事をかかえている。このところ午前中にノルマをこなし、それから家の大掃除という毎日だ。おかげで、Loius-Ferdinand Céline の "Journey to the End of the …

Don Delillo の “Underworld”(2)

仕事が一段落ついたので、先週末、愛媛の田舎に帰省していた。ぼくのふるさと宇和島市にある中町(なかのちょう)教会の前を通りかかると、たまたまクリスマスを祝う会のまっ最中。教会付属の鶴城(かくじょう)幼稚園の園児たちの歌声が聞こえてきた。 もう…

Don Delillo の “Underworld”(1)

きのうの記事を書いたあと、多忙につき遅れに遅れていた Don Delillo の "Underworld" をやっと読了。1997年の全米図書賞、および全米批評家協会賞の最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。 Underworld 作者:Don DeLillo 出版社/メーカー: Scri…

Rohinton Mistry の “Family Matters”(2)

テンプで戻った勤務先が今年最後の繁忙期。この1週間は、ほんとに忙しかった。おかげで活字を目にしてもすぐに眠くなり、寝床で読んでいる『ツバキ文具店』など、ひと晩2、3ページ(でも面白い)。通勤時に持ち運んでいて腕が疲れる超大作 "Underworld" …

Kali Fajardo-Anstine の “Sabrina & Corina”(2)

その昔、「短編小説は閃光の人生」という秀逸なキャッチコピーがあった、と本書のレビューに書いたけれど、それは懐かしい〈フィーリング小説集〉のコピー。同シリーズの代表作はたぶん『ゲイルズバーグの春を愛す』だろう。いまでも単行本は現役なのかな。 …

Julia Phillips の “Disappearing Earth”(2)

いつ読みはじめたのかも憶えていない Don Delillo の "Underworld"(1997)は、やっと中盤を過ぎたところ。Eisenstein 監督作品 "Unterwelt" が話題になり(p.424)、そのテーマがどうやら the contradictions of being .... the mutilated yearning, the in…