ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

William Faulkner の “The Town”(1)

このところボチボチ読んでいた Faulkner の "The Town"(1957)をやっと読了。周知のとおり、the Snopes trilogy スノープス三部作の第二巻である。さっそくレビューを書いておこう。 The Town (Vintage International) 作者: William Faulkner 出版社/メー…

Orhan Pamuk の “The White Castle”(3)

ここ数日、いままでサボっていた過去記事の分類をボチボチやっていた。中にはタイトルを見ただけでどんな本かすぐに思い出したものもあるが、それはレアケース。レビューを読み返してもピンと来ない本のほうが圧倒的に多い。 そんなときは前後の記事から判断…

Orhan Pamuk の “The White Castle”(2)

恥ずかしながら、Orhan Pamuk の作品を読んだのは本書が2冊目。日本では「オルハン・パムク」と表記されていることも、何ヵ月か前に “My Name Is Red”(1998 ☆☆☆☆★)を読むまで知らなかった。 宮仕えの時代にこのノーベル賞作家を敬遠していたのは、同書を…

Lawrence Durrell の “Clea (Alexandria Quartet 4)”(3)

きょう久しぶりにジムに行ったところ、恐れたとおり足がガクガク。ひところの半分も走れなかった。やはり間を置きすぎてはいけない。 英語もおなじ。いま読んでいるフォークナーはなんと10年ぶり。記録によると、10年前も3年ぶりということだから、フォーク…

Lawrence Durrell の “Clea (Alexandria Quartet 4)”(2)

ようやく風邪も治り、フォークナーのスノープス三部作第二巻 "The Town"(1957)を読んでいる。前作ほどではないが難渋する箇所がけっこうあり、今回も時間がかかりそうだ。フォークナーは10年前でさえ手こずったのに、 老後に取り組んでみると、いやはや、…

William Faulkner の “The Hamlet”(1)

ああ、やっぱりヤマカンどおり、今年の全米図書賞は Sigrid Nunez の "The Friend" に決まりましたね! しかし当面、読書予定はけっこう詰まっている。とりあえず、来年2月に出るというペイパーバック版を待つことにしよう。 さて、このところ体調不良につ…

Lawrence Durrell の “Mountolive (Alexandria Quartet 3)”(3)

前回ぼくは、四部作のうち本書だけが三人称となっている理由として、それまでの流れに「コペルニクス的転回」をもたらすため、という趣旨のことを書いた。この点についてもう少し補足しておこう。 アレクサンドリア四重奏は構成が非常に複雑で、内容的にもす…

Lawrence Durrell の “Mountolive (Alexandria Quartet 3)”(2)

一週間前に風邪をひき、売薬でなんとかごまかしていたのだが治らず、きのう医者に診てもらったところ。確実に免疫力が落ちている。 ふだんにも増して頭が働かないが、とりあえずアレクサンドリア四重奏の第三巻、"Mountolive" について補足しておこう。 これ…

Lawrence Durrell の “Balthazar (Alexandria Quartet 2)”(2)

やっと本ブログのデザインがほぼ完成。ほんとうはいろいろカスタマイズできるらしいのだが、おじいちゃんにはシンドイ。飽きるまで当分、このままにしておこう。 過去記事の分類も面倒くさくなり、いったん休憩。また本ブログでは未公開のレビューもまだいく…