2013-01-01から1年間の記事一覧
突貫工事で片づけないといけない仕事が二つあり、ひとつは先週末になんとか仕上げたが、もうひとつまだ残っている。きょうはそのうち半分まで済ませた。目算ではあと5日かかりそうだ。大晦日も仕事かと思うと、毎度「宮仕えの男はつらいよ」。 だが、この季…
先週は、企業戦士というほどではないが連日残業。土曜日も夕方まで職場に残って仕事に励んでいた。そこできのうはひと休み。少しずつ観ていた映画『地獄の黙示録』をやっと観おわった。ブルーレイの劇場公開版である。 さすがに画質はいい。中身は、まあ、ご…
さて、「本書の白眉は第3部〈タイムカプセル〉である」。もし Auster を専門に研究している英文科の先生方や学生たちが本書を読んだとしたら、しめしめ、ここは論文・レポートの資料に使えるぞ、と小躍りするのではないだろうか。 たとえば1969年8月23日、…
きのう水曜日は晩酌デー。ダウンしなければ、第2部 "Two Blows to the Head" の落ち穂拾いをしようと思っていたが、酒量を抑えたものの、やっぱり何も書けなかった。一杯やりながら観た映画『八日目の蝉』に、酔いも手伝ってすっかりハマってしまい、観おわ…
これで去年に引きつづき、Auster の自伝を読んだとになる。さては熱心なファンだったのかと思われるかもしれないが、じつはファンと言えるほどではない。たしかに Auster は、ぼくにとって「新作につい手が伸びる作家のひとり」ではあるものの、それもここ数…
きのう Paul Auster の新著 "Report from the Interior" を読了したが、レビューを書く時間は取れなかった。メモを読みかえしながらがんばってみよう。Report from the Interior作者:Auster, PaulHenry Holt & CoAmazon[☆☆☆★★]『冬の日誌』につづくポール・…
きのうは職場の忘年会。その企画の一環として、団体で東京スカイスツリーの見学に出かけた。 ふだんは団体行動の苦手なぼくだが、この機会を逃してはスカイツリーに登ることもあるまいと思って参加。じつはぼくのふるさと愛媛の宇和島近くには、高森山という…
予土線・務田(むでん)駅について書いたおとといの雑文に、「昔はもちろん、写真右手の屋根やベンチなどなく、闇の中に電球の明かりがぼんやりともっているだけだった」という一文を追加。これで写真とあわせ、少しは当時の光景が目に浮かぶのではないだろ…
きのうも写真を載せたが、これがその昔、ぼくの住んでいた長屋でいまは無人。たまたま出会った近所の人の話によると、部屋なのか家なのか隣りはいつぞやの台風で倒壊し、このとおり更地になっている。 と、こんなことを書くのも Sebald の真似で、"The Rings…
ブログを休んでいるあいだ、読書のほうも本書をボチボチ読んでいた以外はさっぱりだったが、映画はテレビでけっこう観ていた。いちばんノックアウトされたのは、久しぶりに観た『緋牡丹博徒・花札勝負』。いやもう、お竜さんの美しいこと! ブルーレイ版が出…
「こまめにブログを更新していたのに、11月になってパタッと休止したのはどうしてか。何かあったのか」というメールを友人からもらった。 なに、仕事三昧だっただけのことです。 その友人は文学の門外漢だが(ぼくもまあ素人ですが)、文学に関心のある友人…
長らくブログを休止していたが、先日 W. G. Sebald の "The Rings of Saturn" を読みおえ、きょうやっとレビューを書く時間ができた。さて、どんな駄文になりますか。The Rings of Saturn作者:Sebald, W.G.Random House UK LtdAmazon[☆☆☆☆] 看板に偽りあり。…
おなじ作家の作品を読むのも2冊めとなると、初見のときには気づかなかったことも気になるものだ。 去年読んだ "Vertigo" と同様、この "The Rings of Saturn" も一種のトラヴェローグの体裁を取っている。いまのところ舞台はイギリス、サフォーク州の田舎。…
この2週間、あれに手を出したり、これに目が向いたり、いろいろ読みかじってみたが、どうもしっくりするものと出会わなかった。疲労困憊の毎日で、通勤電車の中で活字を追いかけているとすぐに眠くなる。歳のせいで夜の10時を過ぎると寝床が恋しくなる、と…
さて、第14話 'The Peace of Utrecht' である。文字どおり珠玉の短編集といえる本書の中で、ぼくがいちばんノックアウトされた作品だ。「長らく母親の介護に当たってきた姉と、母の死後、久しぶりに帰郷した妹が再会する」というのが粗筋だが、ネタを割る心…
雑感で報告したとおり、第1話をはじめ、本書の「特徴としていえることはまず、喜怒哀楽がストレートではなく遠回しに表現されていること」だとしばらく思っていたが、そのあと読み進むにつれ、途中までぐっと抑えていた感情が一気に爆発する話も出てきた。…
このところ連日超多忙で、本書の落ち穂拾いもままならなかった。 きょうはその前にまず、今年のブッカー賞について。受賞作の "The Luminaries" は未読だし、今後もすぐには読む気がしないが、落選した5つの候補作の出来ばえから判断して順当な結果かもしれ…
イヤな予感が的中した。Eleanor Catton の "The Luminaries" が今年のブッカー賞を受賞! ショートリストのうち、1冊だけ読み残していたものだ。The Luminaries: A Novel (Man Booker Prize)作者: Eleanor Catton出版社/メーカー: Little, Brown and Compan…
先週は1日1話のスローペースで新ノーベル賞作家、Alice Munro の処女短編集 "Dance of the Happy Shades" を読んでいたが、連休最終日のきのう、久しぶりにまとまった時間が取れ、めでたく読みおえることができた。さっそくレビューを書いておこう。Dance …
いやはや、ゆうべはほんとに驚いた。1日1話の超スロー・ペースながら、自分がまさにいま読んでいる作家がノーベル賞を受賞するとは! べつに予想していたわけではない。それどころか、例年どおりノーベル文学賞なんてまったく関心がなかった。世のハルキス…
ビッグニュースが飛びこんできた! なんと Alice Munro がノーベル文学賞受賞! ぼくはたまたま、彼女の第1短編集 "Dance of the Happy Shades" (1968) を読んでいる最中だけに、つい先ほどネットでニュースを知ったとたん、思わず「えっ」と叫んでしまった…
きょう、ようやく Eleanor Catton の "The Luminaries" が届いたが、こりゃまたなんじゃろかい、800ページ以上もある大作ではないか! 道理で注文をためらったわけだと思い出した。 さっそく手に取ってみたところ、これは本腰をいれて取り組くべき作品と直感…
きのうからまだ1話しか進んでいないが、Alice Munro って、やっぱりいいなあ、というのが率直な感想だ。 こう書くと昔からのファンのように聞こえるが、とんでもない。Munro の世界にふれたのは、今年の正月休みに読んだ最新短編集 "Dear Life" [☆☆☆☆] が初…
きのうの横浜は小雨模様、11月なみの肌寒さだったが、すでにチケットを予約をしていたので、仕事帰りに渡辺謙主演『許されざる者』を観に行った。とても重厚な作品で、オリジナル版より出来がいいのではないか。 クリント・イーストウッドのほうは、たしか決…
雑感にも書いたが、これはたまたまアマゾンUKで見かけ、カバーが気に入ったので入手した。いわゆるジャケ買い、ぼく流にいうと〈見てくれ買い〉である。ハズレも多いが、当たったときの喜びはひとしおだ。これぞまさしく自己マンの極致。「唯我独尊、自分の…
John Williams の "Stoner" を読了。1965年の刊行だが、今年になってヨーロッパ各国で翻訳がベストセラーとなり、おそらくその波及効果だろう、現在、アマゾンUKでも古典小説部門でベストセラーとなっている作品である。さっそくレビューを書いておこう。Sto…
注文している Eleanor Catton の "The Luminaries" がまだ手元に届かないので、場つなぎに John Williams の "Stoner" を読んでいる。というか、もうほとんど読みおえた。とてもおもしろい。 これはたしか、去る7月ごろだったかアマゾンUKで見かけ、表紙が…
この週末は、もし時間が取れたら『許されざる者』か『そして父になる』を見に行きたいと思っている。『許されざる者』はもちろんリメイク版のほうで、決闘場面がスカっとしなかったクリント・イーストウッド監督作品を上回っているかどうか興味がある。 『そ…
ロングリストに Jhumpa Lahiri の名前を見つけたとき、えっと誰もが驚いたのではないだろうか。ご存じ "Interpreter of Maladies" (1999) でデビューしたときから、なんとなくアメリカの作家というイメージがあるからだ。 ……などと長年の文学ファンのような…
今年のブッカー賞最終候補作、Jhumpa Lahiri の "The Lowland" を読了。さっそくレビューを書いておこう。The Lowland作者:Lahiri, JhumpaBloomsbury Publishing PLCAmazon[☆☆☆★★] 雨が降れば水につかるカルカッタ市内の低地。少年時代にそこで遊んだ兄弟と…