オランダおよび北欧文学
寝しなに読んでいる『ライオンのおやつ』がとてもいい。エピソード単位で途切れ途切れに進んでいるのだけど、いまのところ毎晩、しあわせな気分で眠りに落ちることができる。 それが就眠儀式としての読書のポイントで、デスク橫の〈気になる積ん読本〉コーナ…
オランダの作家 Helga Ruebsamen(1934 – 2016)の "The Song and the Truth"(1997, 英訳2000)を読了。Ruebsamen はジャカルタで生まれ、ジャワ島で幼児期を過ごしたのち、1939年、家族とともにオランダへ移住。この経歴からして本書は、彼女の実体験をフ…
ブッカー賞のロングリスト発表が目前に迫ってきた(ロンドン時間26日)。いまチェックすると、現地ファンの下馬評で1番人気は相変わらず "The Colony"。ぼくもいたく感動しただけに(☆☆☆☆)、入選を祈るばかりだ。 気になるのは、今年の(対象は昨年度)全…
きのう本書 "Hunger"(1890, 英訳1996)の中間報告をアップしたら、そのあと、なんだか憑きものが落ちたようにどんどん進み、一気に読了。Knut Hamsun(1859 – 1952)は1920年にノーベル文学賞を受賞したノルウェーの作家である。はて、どんなレビューになり…
Halldór Laxness というアイルランドの作家がいることを知ったのは、過去記事を検索すると2009年の5月。その当時、米アマゾンのベストセラー・リストになぜか本書がちょくちょく顔を出していたようだ。 ベストセラーなんて、いまでこそ久しくチェックしたこ…
きのう、アイスランドのノーベル賞作家、Halldór Laxness の "Independent People" を読了。アイスランド語原書の第一部は1934年刊、第二部は1935年刊。英訳合冊版は1946年刊で、Laxness は1955年にノーベル賞を受賞。さっそくレビューを書いておこう。 Inde…
年明けて二日間は昼間からアルコール漬け……というほどでもないが、「そこでストップ!」とみんなに言われるまで飲んでいた。今年もやっぱりダメですね。 おかげで本書は先ほど読了。ムーミン・シリーズで名高い Tove Jansson が大人向けに書いた小説(1982)…
愛媛の田舎に帰ったら本書を一気に片付けようと思っていたのだが、いざ帰省してみると当て外れ。オリンピック放送を見るか睡眠か、というグータラ生活が始まってしまった。 これではいかん、と昨日からギアチェンジ。先ほどようやく読みおえた。2013年の Ind…
たいへん遅まきながら、Jonas Jonasson の "The 100-Year-Old Man Who Climbed Out the Window and Disappeared" を読了。いまや世界的なベストセラーで、去年のアマゾンUKの年間ベスト作品にも選ばれている。さっそくレビューを書いておこう。(後記:その…
アイスランドの作家 Jon Kalman Stefansson の "Heaven and Hell" を読了。原作は2008年刊、英訳初版は2010年刊である。さっそくレビューを書いておこう。(表示はできませんでしたが、ペイパーバックも出ています)。Heaven and Hell作者:Kalman Stefánsson,…
アイスランドの作家 Audur Ava Olafsdottir の "The Greenhouse"(2007)を読了。さっそくレビューを書いておこう。The Greenhouse作者:Olafsdottir, Audur AvaAmazon PublishingAmazon[☆☆☆☆] みずみずしいタッチで描かれたシンボリックな自己発見の物語であ…
3日前、出張先で読みおえた本書のレビューを遅まきながら書いておこう。今年の国際IMPACダブリン文学賞受賞作で、初出は2006年、作者はオランダの作家である。The Twin作者: Gerbrand Bakker出版社/メーカー: Vintage Books発売日: 2009/06/01メディア: ペ…
今年のブッカー賞の有力候補作、"Darkmans" の作者 Nicola Barker は経歴を見ると、2000年に "Wide Open" という作品で International IMPAC Dublin Literary Award を受賞している。それが手元にないので、代わりに今年の受賞作の "Out Stealing Horses" を…