2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
Anna Burns の "Milkman"(2018)をボチボチ読んでいる。最初はただのストーカー小説くらいに思っていたが、どうしてどうして、けっこう知的昂奮をかき立てられるくだりもあって、なかなか面白い。ひょっとしたら、今年のブッカー賞レースに出走した旧大英帝…
今年のブッカー賞候補作、Sally Rooney の "Normal People"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)Normal People作者:Rooney, SallyFaber & FaberAmazon[☆☆☆] 精神医学はさておき、ノーマ…
きのう Lawrence Durrell の "Justine"(1957)を読了。周知のとおり、これは The Alexandria Quartet の第1部であり、本来なら著者の意図どおり、4部作を a single work として読み、レビューを書くべきところだが、いつになったら完読できるのかわからな…
これはイギリスの若手女流作家の長編デビュー作。つまり前回まとめた Sophie Mackintosh の "The Water Cure" と同じわけだが、Daisy Johnson のほうがずっとうまい。いまのところ、ぼくが読んだイギリス勢の中では先頭を切っている。 かなりトリッキーな要…
ぼくはもう年金生活なので、ブッカー賞の候補作だからといって、昔のようにぜんぶまとめて注文するわけには行かない。とりあえず、気になる作品だけ手をつけることにした。 この "The Water Cure" は、届いた本のカバーには載っていなかったが、ネットの商品…
今年のブッカー賞候補作、Rachel Kushner の "The Mars Room"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)The Mars Room作者:Kushner, RachelRandom House UK LtdAmazon[☆☆☆★] 看板に偽りあり…
これは今年のブッカー賞ロングリストの発表以前から、現地ファンのあいだでは下馬評が高かった。あまり当たったためしがないと記憶する William Hill の予想でも一番人気。オッズどおり、ショートリスト入りも確実かもしれない。 が、ほんとにそんなにすぐれ…
今年のブッカー賞候補作、Guy Gunaratne の "In Our Mad and Furious City"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)In Our Mad and Furious City: Winner of the International Dylan Thom…
今年のブッカー賞候補作、Daisy Johnson の "Everything Under"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)Everything Under作者:Johnson, DaisyGraywolf PressAmazon[☆☆☆★★★] 冒頭は認知症の…
Joyce Carol Oates はほんとうに息の長い作家だ。ざっと50年のキャリアを誇り、おん年80歳で現役バリバリ。 しかも、デビュー当時から現在にいたるまで終始一貫、評価の高い作品を書き続けている。それなのにまだノーベル賞を受賞していないとは、世界の文学…
今年のブッカー賞候補作、Sophie Mackintosh の "The Water Cure"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)The Water Cure: LONGLISTED FOR THE MAN BOOKER PRIZE 2018作者:Mackintosh, Soph…
恥ずかしながら、Richard Powers の作品はいままで読んだことがなかった。書棚に何冊か旧作は陳列してあるのだが、どれも分厚くて、しかもコワモテ。何だかとっつきにくそうで敬遠していた。 しかし去る5月ごろ、今年のブッカー賞の下馬評をチェックしてい…
今年のブッカー賞候補作、Michael Ondaatje の "Warlight"(2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。(7月25日の候補作ランキング関連の記事に転載しました)Warlight: A novel作者:Ondaatje, MichaelKnopfAmazon[☆☆☆★★] 青春時代にはいつも嵐が吹き…