2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧
そろそろ、まじめに落ち穂拾いをしておこう。Mantel を読むのはこれで3冊目。しかも前作から8年もたっているとはいえ、3部作の最終巻とあって馴じみやすく、すぐに作品世界に入っていくことができた。 と同時に、前2巻の場合とはちがった観点から考える…
今回も大したことは書けそうにない。ぼくは本書を読むまで知らなかったが、16世紀前半、イングランドではペストが流行していたようだ。But now there are rumours of plague and sweating sickness. It is not wise to allow crowds in the street, or pack …
その後、本書は今年の小説文学賞ショートリストに入選。下馬評では3番人気のようだ。ちなみに、1番人気は Maggie O'Farrell の "Hamnet"(2020 未読)。彼女の名前を見かけるのは、2006年の "The Vanishing Act of Esme Lennox"(☆☆☆)以来だ。 その下馬評…
ゆうべ、Hilary Mantel の最新作 "The Mirror & the Light"(2020)を読了。ご存じ Wolf Hall Trilogy の最終巻で、第1巻 "Wolf Hall"(2009 ☆☆☆☆★)、第2巻 "Bring up the Bodies"(2012 ☆☆☆★★)に引きつづき、Mantel 3度目のブッカー賞受賞なるか、と現…
先月アマゾンUKで注文したブルーレイ盤 "Ivan's Childhood" が、到着予定日を2週間も過ぎたというのにまだ届かない。On the way, but running late とのことだが、これも新型コロナウイルスの感染拡大の影響だろうか。 一方、ほぼ同時に頼んだ Hilary Mante…
前々回だったか、mathematical infallible happiness(p.2)という本書の一節を引用したが、同様のくだりはほかにもある。the great strength of logic purifies everything (p.22) there is nothing happier than digits, living according to the well-co…
世間には「コロナ疲れ」という言葉があるそうだが、ぼくは「コロナ・ニュース疲れ」。当初こそ、自分は何ができるか、何をすべきか、何をしてはならないか、という観点からいろいろ知識を得ようとしたものだけど、そのうちフェイクニュース、偏向報道とりま…
"We" を読みながら、そして読んだあとも考えたのだが、全体主義には二種類あるかもしれない。ひとつはフランス革命あたりを起源とするもので、ある観念(理念、理想)に端を発し、その観念が社会や国家全体で実現されることを目指す全体主義である。 たとえ…
このところ新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、事態は悪化の一途をたどっている。そこで思い出したのが「十日の菊」という言葉。 いま『大辞林』をひくと、「時期遅れで役に立たないもののたとえ」とある。つまり、賞味期限切れ、である。転じて、ある…