2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧
きのうの夜ふけ、2009年のインディペンデント紙外国小説最優秀作品賞(Independent Foreign Fiction Prize)の受賞作、Evelio Rosero の "The Armies" を読みおえた。作者はコロンビアの作家で、スペイン語からの英訳である。さっそくレビューを書いておこう…
この本は、ぼくのアンテナに載せている海外ブログ "Reading Matters" の記事を見かけて知った。レビューそのものは読まなかったが、点数が高かったし、表紙が気にいったので、いわゆるジャケ買い、ぼく流に言うと「見てくれ買い」。ちなみに、M. L. Stedman …
アイスランドの作家 Jon Kalman Stefansson の "Heaven and Hell" を読了。原作は2008年刊、英訳初版は2010年刊である。さっそくレビューを書いておこう。(表示はできませんでしたが、ペイパーバックも出ています)。Heaven and Hell作者:Kalman Stefánsson,…
ううむ、ちょっと辛すぎたかな、☆☆☆★という点数。減点したわけは、とりわけ後半ほど、「筆の滑りぐあいがよすぎる、甘い感傷が鼻につく」と思ったからだ。雑感で、「何か意外な展開が待っているかもしれない。……(姉妹の確執が)物語に変化をつけているだけ…
Carol Rifka Brunt の "Tell the Wolves I'm Home" を読了。今年の米アマゾン上半期ベストテン小説のひとつである。さっそくレビューを書いておこう。Tell the Wolves I'm Home作者:Rifka Brunt, CarolMacmillanAmazon[☆☆☆★] 点数は辛めだが、じつは通勤快読…
Carol Rifka Brunt の "Tell the Wolves I'm Home" を読んでいる。米アマゾンの上半期ベストテン小説のひとつで、ちょっと変わったタイトルに惹かれた。 入手したのは持ち運びに不便なデカサイズのペイパーバック版だが(電車やバスの中はもちろん、ぼくは歩…
Junot Diaz といえば、2008年のピューリッツァー賞と2007年の全米批評家協会賞のダブル受賞に輝いた "The Brief Wondrous Life of Oscar Wao" が代表作だが、記憶力のわるいぼくは、自分が書いた昔のレビューを読みかえして、そうそう、そんな話だったな、と…
今年の全米図書賞候補作、Junot Diaz の "This Is How You Lose Her" を読了。さっそくレビューを書いておこう。This is How You Lose Her作者:Diaz, JunotFaber & FaberAmazon[☆☆☆★★] 男が女と出会って関係し、そして別れる。よくある話だが、これはアメリ…
今年の全米図書賞候補作、Junot Diaz の "This Is How You Lose Her" を読んでいる。早くもペイパーバック化されているので、シノプシスも読まずに取りかかった。粗筋をちらっとながめた候補作は、Louise Erdrich の "The Round House" と Kevin Powers の "…
本書を評価するうえでぼくの頭にあった基準は、雑感(4)で述べたとおり、次の2点である。(1)〈想定外〉のおもしろさがあるかどうか。(2) 思想の掘り下げとはべつに、何か深い内容があるかどうか。 まず (1) について。この基準をもうけたのは、北朝鮮にお…
Hilary Mantel の2連覇達成! ロンドン時間で16日夜(日本時間では本日早朝)、ブッカー賞の受賞作が発表され、2009年の "Wolf Hall" につづいて、シリーズ第2作 "Bring up the Bodies" がみごと栄冠に輝いた。ぼく自身は前作ほど高く買っていなかっただけ…
米アマゾンの上半期ベスト10小説のひとつ、Adam Johnson の "The Orphan Master's Son" をやっと読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。 追記:その後、本書は2013年のピューリッツァー賞を受賞しました。The Orphan Master's Son: A Novel作者:Johns…
先週末も多忙だった。土曜は出勤、昨日も朝のうちは〈自宅残業〉で、本書に取りかかったのは昼過ぎから。晩にブログを更新しようと思ったが、つい眠りこけてしまい断念。やっぱり年ですなあ。 それでもようやく終盤に差しかかってきた。さすがにもう粗筋は紹…
今日も忙しく、"The Orphan Master's Son" はろくに進まなかった。そこで全米図書賞の最終候補作をならべてお茶を濁すことにしよう。 5人の作家のうち、Junot Diaz と Louise Erdrich だけは旧作を読んだことがある。2007年の全米批評家協会賞に輝いた Diaz…
今週はほんとに仕事が忙しく、毎日バテバテだ。晩酌をやってもストレス発散どころか、かえって身体が重くなるばかり。早いとこ隠居したいものだ。 さて "The Orphan Master's Son" だが、相変わらずミミズがはうようなペースではあるものの、それでもなんと…
"The Orphan Master's Son" を相変わらずボチボチ読んでいる (昨日はうっかり、"The Orphan's Son" と紹介してしまった)。けっこうハマってきたし、書きたいこともあるのだが、なにしろ職場が繁忙期に入り、これを打ちこんでいる今も疲労困憊。そこで今日…
この連休中は Adam Johnson の "The Orphan Master's Son" をボチボチ読んでいた。米アマゾンの上半期ベスト10小説のひとつで、取り寄せた理由は早くもペイパーバック版が出ていたからだ。表紙を見ると、'A daring and remarkable novel.' という Michiko Ka…
このほど恥ずかしながら、表題作が映画化されていることを初めて知り、観てから読むか、読んでから観るかちょっぴり迷ったが、いざ読んでしまうと、少なくとも当分は観る気がしなくなった。頭の中に自分の映画ができあがってしまったからだ。そのイメージが…
世間とちがって今日は出勤日だったが、H. E. Bates の短編集、"A Month by the Lake & Other Stories" をやっと読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。A Month by the Lake and Other Stories (New Directions Paperbook)作者:Bates, H. E.New Direct…
ひょんなきっかけで読みだした本だが、目次をながめているうちに、長らく積ん読にしておいた理由を思い出した。名作の誉れ高い "Go, Lovely Rose" が収録されていないのだ。ぼくは恥ずかしながら未読で、簡易版なら読めるのだが、どうしても原典で読みたい。…
知り合いのオーストラリア人に例の一件を話したところ、'You have read a dangerous book! I guess you're in a dangerous situation.' と笑いながら言われた。なるほど、記事の削除は、ぼくの身の安全を考えてのことだったのか。それなのに大騒ぎして記事を…
まず昨日の続きから。昼間にネットでこのブログを検索すると、昨日は更新されなかったことになっていた。疑心暗鬼かもしれないが、またもや「無かったことにする」動きがあったのでは、と思いたくなる。〈不都合な真実〉は消せ、ということでしょうか。 閑話…
今日は本来なら Pavese について駄文を綴るまわりだが、昨日の一件がどうしても引っかかる。タイトルは、抗議の意味で伏せ字にしました。 さて、もしかしてハッキングがからんでいるのではと思い、知人の専門家に問い合わせたところ、「ハッキングではなく、…