2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
Nadine Gordimer の "The Conservationist"(1974)を読んでいる。Gordimer は周知のとおり南アフリカの作家で、1991年にノーベル文学賞を受賞。本書は74年のブッカー賞受賞作である。 恥ずかしながら、それくらいのことしか Gordimer については知らなかっ…
前回もふれたとおり、これはカナダで最も権威のある文学賞、ギラー賞の2017年度受賞作。また、現地のファン投票(Shadow Giller)でも1位を獲得した作品である。それなのに、ぼくの評価は☆☆★★★(約55点)。あんた、読み方がおかしいんじゃないの、と座布団…
きのう晩酌前に、2017年のギラー賞(Scotiabank Giller Prize)受賞作、Michael Redhill の "Bellevue Square" を読了。日本の読者にはなじみが薄いかもしれないが、カナダでは最も権威のある文学賞である。ひと晩寝かせたところでレビューを書いておこう。B…
ううむ、さすが Joyce Carol Oates、モノがちがう! エクセルに打ち込んでいる読書記録によると、ぼくが☆☆☆☆★(約85点)を進呈したのは、Iris Murdoch の "The Bell"(1958)と A. S. Byatt の "Possession"(1990)以来、なんと2年ぶり。これにはぼく自身…
きのう本書を読了。1970年の全米図書賞受賞作である。いつもならすぐにレビューを書くところだが、なぜか〈あとがき〉が気になり斜め読みしたところ、ぼく自身の感想をもう少し煮詰めたほうがいいなと思い直した。 その結果が以下の駄文だが、これを書いてい…
いやはや、これは読めば読むほどすごい作品だ! まず前回、「ジャンルとしては、今のところ、いちおう家庭小説かな」と断定を避けておいて正解。たしかに家庭小説の要素は濃いのだが、その後、青春小説や恋愛小説の要素も加わり、とりわけ後者はかなり強烈だ…
世間は3連休だったが、ぼくは退職前、最後の仕事のひとつでけっこう忙しかった。こんなとき、いつもならストレスがたまるものだが、もうじき辞めると思うとそれほど苦にならない。 "Them" のほうは、相変わらずカタツムリくんペース。が、それでもようやく…
昨年末から Joyce Carol Oates の "Them"(1969)を読んでいる。が、帰省や大掃除、正月は2日の午後に仕事初めといった具合で、なかなか先へ進まない。それでも改めて、Oates はすごい作家だなと実感している。 年譜によると、女史は1938年生まれ。同63年か…