ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

女性小説賞

オレンジ賞およびベイリーズ賞時代の作品もふくみます

Sarah Waters の “Fingersmith”(2)

年明けから諸般の事情で冬眠中だったが、そろそろ頭を働かさないとボケがひどくなってしまう。数日前から Saraha Waters の "Affinity"(1999)をボチボチ読んでいる。なかなか面白い。 これは周知のとおり既訳もあり、版元はあの推理文庫。だからたぶんミス…

Sarah Waters の “Fingersmith”(1)

きのう、2002年のブッカー賞およびオレンジ賞(現女性小説賞)最終候補作、Sarah Waters のご存じ "Fingersmith" をやっと読了。途中、諸般の事情で何日も中断したため、いつにもまして、まともなレビューが書けそうもない。さてどうなりますか。 Fingersmit…

Yaa Gyasi の “Transcendent Kingdom”(2)

Yaa Gyasi の作品は初読かと思ったら、5年前の夏、処女作の "Homegoing"(2016)を読んでいた。 いま振り返ると、当時はちょうどブッカー賞ロングリスト発表の直前ということで、現地ファンのあいだで入選を有力視されていた同書に興味をおぼえたようだ。レ…

Patricia Lockwood の “No One Is Talking About This”(2)

これは今年の女性小説賞最終候補作だけど、じつは女性小説賞というのにはあまり興味がない。もう十年以上も昔の記事で紹介したことだが、当時のガーディアン紙に載った女流作家 A. S. Byatt のコメントを読んで、わが意を得たりと思ったものだ。The British …

Yaa Gyasi の “Transcendent Kingdom”(1)

ゆうべ、Yaa Gyasi の "Transcendent Kingdom"(2020)を読了。周知のとおり今年の女性小説賞最終候補作で、現地ファンの下馬評では2番人気だが、集計方法によっては1番人気にもなっている。また、気の早い同ファンのあいだでは、今年のブッカー賞ロングリ…

Patricia Lockwood の “No One Is Talking About This”(1)

今年の女性小説賞最終候補作、Patricia Lockwood の "No One Is Talking About This"(2021)を読了。もっか、現地イギリスのファンのあいだでは1番人気である。さっそくレビューを書いておこう。 (追記:本書は後日、今年のブッカー賞ロングリスに入選)…

Maggie O'Farrell の “Hamnet”(2)

今回も禁をやぶってハードカバー。Patricia Lockwood の "No One Is Talking About This"(2021)をボチボチ読んでいる。ご存じ今年の女性小説賞最終候補作で、本ブログのリンク先 the Mookse and the Gripes によると、もっか1番人気。英米アマゾンでの評…

Brit Bennet の “The Vanishing Half”(2)

今年の国際ブッカー賞最終候補作、Benjamín Labatut の "When We Cease to Understand the Word"(2020)を読んでいる。原題は "Un Verdor Terrible"(2019)。スペイン語からの英訳である。なかなか面白い。現地ファンの下馬評では1番人気のようだ。 カバ…

Maggie O'Farrell の “Hamnet”(1)

Maggie O'Farrell の "Hamnet"(2020)を読了。周知のとおり2020年の全米批評家協会賞ならびに女性小説賞の受賞作で、ニューヨーク・タイムズ紙が選んだ年間ベスト5小説のひとつでもある。さっそくレビューを書いておこう。 Hamnet: Winner of the Women's …

Brit Bennet の “The Vanishing Half”(1)

胃のほうは薬のおかげでだいぶ痛みが治まってきたのだけど、こんどはまた風邪をひいてしまい、まるで変声期のようなガラガラ声。微熱の一歩手前のような熱もある。コロナでないことを祈るばかりだ。 ともあれ、上の事情でボチボチ読んでいた Brit Bennet の …

Hilary Mantel の “The Mirror & The Light”(3)

今回も大したことは書けそうにない。ぼくは本書を読むまで知らなかったが、16世紀前半、イングランドではペストが流行していたようだ。But now there are rumours of plague and sweating sickness. It is not wise to allow crowds in the street, or pack …

Hilary Mantel の “The Mirror & The Light”(2)

その後、本書は今年の小説文学賞ショートリストに入選。下馬評では3番人気のようだ。ちなみに、1番人気は Maggie O'Farrell の "Hamnet"(2020 未読)。彼女の名前を見かけるのは、2006年の "The Vanishing Act of Esme Lennox"(☆☆☆)以来だ。 その下馬評…

Hilary Mantel の “The Mirror & The Light”(1)

ゆうべ、Hilary Mantel の最新作 "The Mirror & the Light"(2020)を読了。ご存じ Wolf Hall Trilogy の最終巻で、第1巻 "Wolf Hall"(2009 ☆☆☆☆★)、第2巻 "Bring up the Bodies"(2012 ☆☆☆★★)に引きつづき、Mantel 3度目のブッカー賞受賞なるか、と現…

"The Mirror & The Light" 雑感

先月アマゾンUKで注文したブルーレイ盤 "Ivan's Childhood" が、到着予定日を2週間も過ぎたというのにまだ届かない。On the way, but running late とのことだが、これも新型コロナウイルスの感染拡大の影響だろうか。 一方、ほぼ同時に頼んだ Hilary Mante…

Akwaeke Emezi の “Freshwater”(2)

世間は三連休だが、ぼくは例によって午前中は〈自宅残業〉。あしたもその日程です。そうしないと仕事が間に合わない。つくづく因果な商売だけど、それでもゆうべは、有楽町の超高級ホテルでもよおされた、勤務先に関係のあるパーティーに出席。無職なら口に…

Akwaeke Emezi の “Freshwater”(1)

このところ、テンプながら復職した勤務先が超繁忙期。おかげで、ただでさえ遅読症なのに文字どおりカタツムリくんのペースだったが、それでもゆうべ、やっとのことで Akwaeke Emezi の "Freshwater"(2018)を読みおえた。今年の Women's Prize for Fiction …

Kamila Shamsie の “Home Fire”(2)

きのうも大雨関連のニュースを見ていたら、愛媛県宇和島市からの中継があった。吉田町では断水が続き、ミカン栽培も大打撃を受けているらしい。 また宇和島市や西予市に住む親戚、友人たちの話によると、吉田町は陸の孤島と化している。国道は寸断され、JR…

Kamila Shamsie の “Home Fire”(1)

今年の女性小説賞(前ベイリーズ賞、旧オレンジ賞)受賞作、Kamila Shamsie の "Home Fire"(2017)を読了。さっそくレビューを書いておこう。Home Fire: WINNER OF THE WOMEN'S PRIZE FOR FICTION 2018 (High/Low)作者:Shamsie, Kamila発売日: 2018/03/22メ…

Jesmyn Ward の “Sing, Unburied, Sing”(2)と、ニューヨーク・タイムズ紙選2017年ベスト5小説

まず表題作の続きから。前々回ふれたように、ぼくは Jesmyn Ward の旧作 "Salvage the Bones" が2011年の全米図書賞受賞作であることも、自分がそのレビューを書いたこともすっかり忘れていた。そこで、一体どんな作品だったのだろうと、当のレビューを読み…

Naomi Alderman の “The Power”

ずいぶん前に今年のベイリーズ賞(Baileys Women's Prize for Fiction:旧オレンジ賞)受賞作、Naomi Alderman の "The Power"(2016)を読み終えていたのだが、その後なかなかレビューを書く時間が取れなかった。おかげで、かなり印象がぼやけてしまった。 …

"The Power" 雑感

地獄の夏が終わったと思ったら、地獄の秋が待っていた。きのうなど文字どおり目が回り、血圧を測ってもらったところ、下が88。「これはよくない」と即座に言われた。原因はたぶん蓄積疲労だろう。 おかげで今年の Baileys Women's Prize for Fiction(旧オレ…

Ann Patchett の "The Magician's Assistant" (1)

この2ヵ月ほど体調不良をはじめ、〈厄月〉かと思えるほどトラブル続き。おかげで予定より大幅に遅れてしまったが、きのう何とか本書を読了した。1998年の旧オレンジ賞(現・女性小説賞)の最終候補作である。 レビューを書くのも久しぶり。どんな駄文になる…

A. M. Homes の “May We Be Forgiven” (1)

諸般の事情で大幅に遅れてしまったが、オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の受賞作、A. M. Homes の "May We Be Forgiven" を昨日、ようやく読了した。さっそくレビューを書いておこう。May We be Forgiven作者: A. M. Homes出版社/メーカー: Grant…

2013年女性小説賞発表 (2013 Women's Prize for Fiction)

女性小説賞なのか女流文学賞なのか、とにかくオレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の第1回受賞作は A. M. Homes の "May We Be Forgiven" に決定した。 ぼくは諸般の事情で、ようやく中盤に差しかかったところだが、おとといの日記にも書いたとおり…

Barbara Kingsolver の “Flight Behavior” (1)

Barbara Kingsolver の "Flight Behavior" を読了。オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。Flight Behaviour作者: Barbara Kingsolver出版社/メーカー: Faber & Faber発売日: 2013/04/18メディア:…

Maria Semple の “Where'd You Go, Bernadette” (1)

オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の最終候補作、Maria Semple の "Where'd You Go, Bernadette" を読了。これは今年のアレックス賞受賞作でもあり、昨年のタイム誌の年間ベスト10小説や、Janet Maslin の10 Favorite Books にも選ばれている。さ…

Kate Atkinson の “Life After Life” (1)

Kate Atkinson の "Life After Life" をやっと読みおえた。オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction の最終候補作である。さっそくレビューを書いておこう。Life After Life作者: Kate Atkinson出版社/メーカー: Doubleday UK発売日: 2013/03/05メディア:…

2013年女性小説賞ショートリスト (2013 Women's Prize for Fiction shortlist)

ロンドン時間で16日、オレンジ賞改め、Women's Prize for Fiction (女性小説賞)のショートリストが発表された。 "Life after Life" は、英米カナダのアマゾンで先月や今月の優秀作に選ばれている。"Flight Behaviour" は、たしか昨年11月の米アマゾン選優…

Ann Patchett の “Bel Canto” (1)

2002年のオレンジ賞受賞作、Ann Patchett の "Bel Canto" を読了。さっそくレビューを書いておこう。Bel Canto作者:Patchett, AnnHarper PerennialAmazon[☆☆☆★★★] バベルの塔が崩壊したのち人類は共通言語をうしなったが、もしまだそれに近い媒体があるとし…

2013年女性小説賞ロングリスト (2013 Women's Prize for Fiction Longlist)

つい最近まで知らなかったのだが、今年からオレンジ賞が Women's Prize for Fiction (女性小説賞)と改称。本日ロングリストが発表された。例によって候補作が多すぎますな。趣旨はさておき、話題作りの商策がミエミエのような気もする。 以下、既読のもの…