ラテンアメリカ文学
ようやく体調がもどってきた。昔から風邪は長引くほうなのだけど、コロナかコロナでないのか、こんどの風邪もなかなか治らなかった。のどの痛みにはじまり、粘液状の鼻水が止まらず、軽い熱もずっと持続。ぼくは平熱が低いので、ちょっと熱が出ただけですぐ…
先週末から今週頭まで、所用で愛媛の田舎に帰省していた。紅葉狩りも期待していたのだけど、うっかりデジカメを忘れてしまい、使い馴れていないケータイでなんとか撮影。(写真は宇和島市和霊公園) と、そこまではよかったのだが、帰宅して二日後、のどに違…
きのう、チリの著名な作家 Isabel Allende(1942 – )の処女作 "The House of the Spirits"(1982, 英訳1985)を読了。途中、諸般の事情で長らく中断していたので、じゅうぶんに理解できたかどうか怪しいものだが、なんとかレビューをでっち上げてみよう。 […
待ち望んでいた Audrey Magee の "The Colony"(2022)がやっと届き、さっそく着手。なかなか面白い。 これは2019年に創設された(前身あり) George Orwell Prize の今年の最終候補作だが、イギリスの文学ファンのあいだでは、今年のブッカー賞ロングリスト…
きのう、メキシコの作家 Juan Rulfo(1917 - 1986)の "Pedro Páramo"(1955, 英訳1993)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 Pedro Paramo (Serpent's Tail Classics) 作者:Rulfo, Juan Profile Books Amazon [☆☆☆☆★] 生は死によって完結し、愛もまた…
超繁忙期は終わったものの、相変わらず〈自宅残業〉の毎日だ。テンプなので勤務時間が過ぎるとすぐに退勤できるのはいいのだけど、勤務時間内に片づけられなかった仕事を家に持ち帰る破目になる。因果な商売だ。 おかげで読書量も激減。いま読んでいる Ali S…
今年のブッカー国際賞最終候補作、Alia Trabucco Zerán(チリ)の "The Remainder"(原作2014、英訳2018)を読了。さっそくレビューを書いておこう。 The Remainder (English Edition) 作者: Alia Trabucco Zerán 出版社/メーカー: And Other Stories 発売日…
今週というか先週というか、とにかくこの一週間は超繁忙期につき、毎日〈自宅残業〉。きょうも日曜日なのに出勤して仕事の遅れを取り戻し、帰りにジムに寄って、なまった身体を鍛え直してきたところだ。 そんなわけで読書は小休止。その代わりストレスの発散…
このところ、四月から一年契約で復帰した元の職場が繁忙期。家に帰るとぐったりで、おまけに風邪もひいてしまい、本を読むスピードがめっきり落ちてしまった。そんなこんなで、ゆうべ、やっと読みおえたのが Juan Gabriel Vásquez の "The Shape of the Ruin…
きのうまで飛鳥・奈良・京都を旅行していた。雨は一滴も降らず、きのうの昼など京都市内は22度。この時期に奈良や京都で汗だくになったのは初めてだ。 閑話休題。きょうは2冊まとめて補足しておこう。まず "The Green House"(1966)だが、いくら不勉強のぼ…
Mario Vargas Llosa の "The Green House"(1966)を読了。スペイン語の原題は "La Casa Verde"。さっそくレビューを書いておこう。The Green House作者:Vargas Llosa, MarioHarper PerennialAmazon[☆☆☆★★★]「文化とは、ある国民の生きかたである」と述べた…
もう一回だけ Seabastian Barry の "Days without End" を取り上げようと思っていたが延期。意外に早く、Juan Gabriel Vásquez の "The Sound of Things Falling"(2011) を読みおえてしまった。そのレビューから先に書いておこう。2013年の国際IMPACダブリ…
きのう、メキシコの作家、Yuri Hererra の "Signs Preceding the End of the World"(2009)を英訳版で読了。2016年の Best Translated Book Award(最優秀翻訳作品賞)受賞作である。Signs Preceding the End of the World作者:Herrera, YuriAnd Other Stor…
先日発表された2015年のロサンゼルス・タイムズ紙文学賞(Los Angeles Times Book Prize for Fiction)の受賞作、Valeria Luiselli の "The Story of My Teeth" を読了。これは今年(対象はLAタイムズ紙賞と同じく2015年)の全米批評家協会賞の最終候補作で…
きのうの夜ふけ、2009年のインディペンデント紙外国小説最優秀作品賞(Independent Foreign Fiction Prize)の受賞作、Evelio Rosero の "The Armies" を読みおえた。作者はコロンビアの作家で、スペイン語からの英訳である。さっそくレビューを書いておこう…
昨年のインディペンデント紙外国小説最優秀作品賞(Independent Foreign Fiction Prize)の受賞作、Santiago Roncagliolo の "Red April" を読みおえた。これは一昨年、ガーディアン紙が選んだ年間ベスト小説のひとつでもある。さっそくレビューを書いておこ…
やっとのことでロベルト・ボラーニョの "2666"(2004)を読みおえた。2月18日から10回にわたって連載してきた雑感のまとめに過ぎないが、とりあえずレビューを書いておこう。 2666 (1,2,3)作者:Bolano, RobertoFarrar Straus & GirouxAmazon[☆☆☆☆★★] ひとつ…
海外文学にハマってから3年前までは、夏になるとラテンアメリカ文学の作品も英語で読むことにしていた。ラテアメ文学となるとぼくはまったくの門外漢で、六〇年代に国際的なブームが起こったことも以前は知らなかったので、当然リアルタイムでは読んでいな…
Carlos Fuentes の "A Change of Skin" を読了。いやはや、フォークナーに劣らぬ難物だった。A Change of Skin作者:Fuentes, CarlosFarrar, Straus and GirouxAmazon[☆☆☆☆★] 春の日曜日、ワーゲンに乗ってメキシコシティーから海辺のリゾート地へと向かう四…
前回、Lisa See の "Peony in Love" の感想を書いているうちに思い出したのが、ガルシア・マルケスの『コレラの時代の愛』である。Love in the Time of Cholera作者: Gabriel Garcia Marquez出版社/メーカー: Penguin発売日: 2007/08/02メディア: ペーパーバ…
ニューヨーク・タイムズ紙選定の年間優秀作品の中から、Roberto Bolano の "The Savage Detectives" を読んでみた。http://www.nytimes.com/2007/12/09/books/review/10-best-2007.html?_r=2&oref=slogin&oref=slogin The Savage Detectives作者:Bolano, Rob…