国際IMPACダブリン文学賞
何度か(2)を書こうと思いつつ、きょうまでズレこんでしまった。泣く子も嗤うような〈恥ずかしながら未読シリーズ〉だからだ。どんな感想を述べても、何かの記事の二番煎じでしょう。 ということで、まず周辺情報から。本書は国際IMPACダブリン文学賞受賞…
きのう、2003年の国際IMPACダブリン文学賞受賞作、Orhan Pamuk の "My Name Is Red"(1998)を読了。原語はトルコ語。一日寝かせたところでレビューの書き出しが頭にちらついてきた。さてどうなりますか。My Name is Red作者:Pamuk, OrhanFaber & FaberAmazo…
やっと2回目を書く時間が取れた。しかし読みおわってから一週間。早くも記憶が薄れかかっている。ほんとに☆☆☆★★★でよかったのかな。 じつはレビューを書きながら、最後の★を消したり加えたり、ずいぶん迷ってしまった。たかが5点、されど5点。 結局、途中…
もう一回だけ Seabastian Barry の "Days without End" を取り上げようと思っていたが延期。意外に早く、Juan Gabriel Vásquez の "The Sound of Things Falling"(2011) を読みおえてしまった。そのレビューから先に書いておこう。2013年の国際IMPACダブリ…
きのう、Jenny Erpenbeck の "The End of Days"(2012)をやっと読了。ドイツ語からの英訳版で、2015年の Independent Foreign Fiction Prize の受賞作。2016年の国際IMPACダブリン文学賞の最終候補作でもある。The End of Days作者:Erpenbeck, JennyGranta …
愛媛の田舎に帰ったら本書を一気に片付けようと思っていたのだが、いざ帰省してみると当て外れ。オリンピック放送を見るか睡眠か、というグータラ生活が始まってしまった。 これではいかん、と昨日からギアチェンジ。先ほどようやく読みおえた。2013年の Ind…
Makine を読むのは、先日レビューを再録した "Dreams of My Russian Summers" (1995) に続いて8年ぶり2冊目。以前は書きもらしていたが、同書は95年のゴンクール賞受賞作である。『フランスの遺産』というタイトルで邦訳も出ているようだ。 が、日本ではあ…
2015年の国際ダブリン文学賞(International Dublin Literary Award)最終候補作、Andrei Makine の "Brief Loves That Live Forever" を読了。フランス語からの英訳作品である。さっそくレビューを書いておこう。Brief Loves That Live Forever作者:Makine,…
まずブッカー賞の話題から。ぼくはアンテナに登録している現地ファンのブログを参考にしながら、ロングリストにノミネートされそうな有資格候補作を何冊か読んでいたのだが、当たったのは1冊だけ。"The Sellout" も有資格だとは思いもよらなかった。 例によ…
今年の国際ダブリン文学賞(International Dublin Literary Award)受賞作、Akhil Sharma の "Family Life" を読了。Sharma はアメリカ在住のインド系作家である。さっそくレビューを書いておこう。Family Life作者:Sharma, AkhilFaber & FaberAmazon[☆☆☆★★]…
Jim Crace の "Harvest" を読了。今年2月にアマゾンUKが選んだ月間優秀作品のひとつで、最近はブッカー賞ロングリストへのノミネートも取り沙汰されている。さっそくレビューを書いておこう。 追記:その後、本書はブッカー賞ショートリストに入選。また201…
いさかか旧聞に属するが、今年の国際ダブリン文学賞は、アイルランドの新人作家 Kevin Barry の長編デビュー作、“City of Bohane” に決定した。おととし書いたレビューを再録しておこう。City of Bohane作者: Kevin Barry出版社/メーカー: Jonathan Cape発売…
今年のダブリン文学賞は Jon McGregor の "Even the Dogs" に決定した。ぼくはこの本を東日本大震災直後、計画停電のさなかに懐中電灯で照らしながら読んだ憶えがある。今年のショートリストでほかに読んでいたのは、Jennifer Egan の "A Visit from the Goo…
アイルランドの新人作家、Kevin Barry の長編デビュー作、“City of Bohane” を読みおえた。さっそくいつものようにレビューを書いておこう。 追記:その後、本書は2013年の国際IMPACダブリン文学賞を受賞しました。City of Bohane作者:Barry, KevinJonathan …
Jon McGregor の最新長編 "Even the Dogs" を読みおえた。さっそくいつものようにレビューを書いておこう。(その後、本書は2012年の国際IMPACダブリン文学賞を受賞しました)。Even the Dogs作者:McGregor, JonBloomsbury Publishing PLCAmazon[☆☆☆★★] 年の…
3日前、出張先で読みおえた本書のレビューを遅まきながら書いておこう。今年の国際IMPACダブリン文学賞受賞作で、初出は2006年、作者はオランダの作家である。The Twin作者: Gerbrand Bakker出版社/メーカー: Vintage Books発売日: 2009/06/01メディア: ペ…
昨年の全米図書賞(National Book Award)受賞作、Colum McCann の "Let the Great World Spin" をやっと読みおえた。さっそく、いつものようにレビューを書いておこう。Let the Great World Spin作者: Colum McCann出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing …
今年の国際IMPACダブリン文学賞の最終候補作、Travis Holland の "The Archivist's Story" をやっと読みおえた。例によってまずレビューを書いておこう。The Archivist's Story: A Novel作者: Travis Holland出版社/メーカー: Dial Press Trade Paperback発…
Colm Tóibín の "The Master" を読みおえた。周知のとおり、04年のブッカー賞最終候補作のひとつだが、文学ミーハーのぼくでもストーリーを追うだけでなく、じっくり考えさせられることが多かった。一昨日の雑感の続きになりそうだが、さっそくレビューを書…
昨日報告したとおり、Michael Thomas の "Man Gone Down" をやっと読みおえたのでさっそくレビューを書いておこう。これは周知のとおり今年の国際IMPACダブリン文学賞受賞作で、また一昨年のニューヨーク・タイムズ紙選定年間優秀作品のひとつでもある。Man …
昨日、国際IMPACダブリン文学賞の発表があり、Michael Thomas の "Man Gone Down " が栄冠に輝いた。不勉強のぼくは例によって未読だが、公式HPの記事を読むと、07年のニューヨーク・タイムズ紙選定年間優秀作品でもあるとのこと。Man Gone Down作者: Michae…
今年の国際IMPACダブリン文学賞受賞作、Rawi Hage の "De Niro's Game" を読了。同賞にふさわしく、レバノンとフランスを舞台にしたインターナショナルな佳作である。De Niro's Game作者: Rawi Hage出版社/メーカー: Old Street Publishing発売日: 2008/05/0…
前々回は "Gilead" の邦訳がまだ出ていない話をしたが、"Gilead" の前年(03年)に全米書評家協会賞(全米批評家協会賞)を取った "The Known World" もやはり未訳のようである。The Known World: A Novel作者: Edward P. Jones出版社/メーカー: Amistad発売…
今年のブッカー賞の有力候補作、"Darkmans" の作者 Nicola Barker は経歴を見ると、2000年に "Wide Open" という作品で International IMPAC Dublin Literary Award を受賞している。それが手元にないので、代わりに今年の受賞作の "Out Stealing Horses" を…