ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

"The Brightest Star in the Sky" 雑感(2)

年内には片づくだろうと高をくくって読みだした本書だが、このところ「自宅残業」と家の大掃除で忙しく、なかなか思うように進まない。今日も午後から読みはじめ、先ほどやっと 'Day 51' に入ったところ。大晦日と三が日で読了できるかな、酒は飲みたいし映…

"The Brightest Star in the Sky" 雑感(1)

この土日は「自宅残業」に始まり、切りがついたところで家の大掃除。おかげで、せっかく読みだした Marian Keyes の "The Brightest Star in the Sky" もなかなか進まないが、何とか1回目の雑感くらいは書けそうになった。数少ないペイパーバックで読める今…

ぼくの09年下半期ベスト3

読みだした本はあるのだが、まだ雑感を書くほど進んでいないので、ちと早いが半年ごとに選んでいるベスト3を決めることにした。ほんとうはベスト10、いや、せめてベスト5と言いたいところだが、今期も我ながらガックリするほど読書量が少なく、あきまへん…

Jeannette Walls の "Half Broke Horses"(2)

毎年恒例のニューヨーク・タイムズ紙選ベストフィクション5が発表されたとき、これは表紙をひと目見たとたん読みたくなった作品である。Half Broke Horses作者: Jeannette Walls出版社/メーカー: Scribner発売日: 2009/10/06メディア: ハードカバー クリッ…

Jeannette Walls の "Half Broke Horses"(1)

ニューヨーク・タイムズ紙が選んだ今年の最優秀作品のひとつ、Jeannette Walls の "Half Broke Horses" を読みおえた。さっそく、いつものようにレビューを書いておこう。Half Broke Horses作者: Jeannette Walls出版社/メーカー: Simon & Schuster Ltd発売…

Colm Toibin の "Brooklyn"(2) 

何度も書くが、本書は今年のブッカー賞候補作であり、来年1月に発表されるコスタ賞の候補作でもあり、さらに、英米アマゾンの年間ベスト10、ガーディアン紙のクリスマス推薦図書にも選ばれている。実際、それだけ評価が高いのも大いにうなずける見事な出来…

Colm Toibin の "Brooklyn"(1)

今年のブッカー賞候補作のひとつで、最近はまたコスタ賞にもノミネートされている Colm Toibin の "Brooklyn" を何とか読みおえた。さっそくまず、いつものようにレビューを書いておこう。 追記:本書は2015年に映画化され、第88回アカデミー賞の作品賞、脚…

"Brooklyn" 雑感(2)

今週は超多忙の毎日で家に帰るとグッタリ、おかげでこの本を手に取るのも電車の中だけだったが、それでも何とか半分過ぎまで読み進んだ。 印象は前回とほとんど変わらず、変わったのは、本書のキャッチコピーを思いついたことくらい。題して、「タネも仕掛け…

"Brooklyn" 雑感(1)

年末が近づき大忙し、この土日も「自宅残業」に追われたが、Colm Toibin の "Brooklyn" を少しずつ読みはじめた。今年のブッカー賞候補作の一つで、たしかガーディアン紙だったと思うけど、「ロングリストが発表されたときは、これが受賞するものと思った」…

Colum McCann の "Fishing the Sloe-Black River"(2)

前々回の雑感の続きで、第8話以後とくに印象深かったものを挙げると、昨日のレビューにも書いた「アイルランド版『銀河鉄道の夜』」とも言うべき第10話 "Around the Bend And Back Again"。ある若い娘が主人公で、星の大好きな父親が列車の車両を買い取り、…

Colum McCann の "Fishing the Sloe-Black River"(1)

昨日家に帰って読みおえたのに、夜はおとといの忘年会疲れのせいか、睡魔に襲われてレビューが書けなかった。今年の全米図書賞を取った Colum MaCann の旧作短編集(93年)である。Fishing the Sloe-Black River: Stories作者: Colum McCann出版社/メーカー:…

"Fishing the Sloe-Black River" 雑感

今年もとうとう年間ベスト10の季節がやって来た。去年、いや一昨年の話題作でさえまだ何冊か積ん読のままなのに、ニューヨーク・タイムズ紙やパブリシャーズ・ウィークリー誌、英米アマゾンなどが発表した新しいリストをながめていると、そちらのほうについ…

Herta Muller の "The Land of Green Plums"(2)

雑感に書いたノーベル文学賞に対するぼくの偏見を要約すると、(1)過去の業績に対する顕彰の意味合いが強く、現役ばりばりの作家が受賞することは少ないのではないか。(2)政治的な意味合いが強く、とりわけ反体制派の作家が受賞することが多いのではな…

Herta Muller の "The Land of Green Plums"(1)

諸般の事情で予定より大幅に遅れてしまったが、今年のノーベル文学賞受賞作家、Herta Muller の代表作のひとつ、"The Land of Green Plums" を何とか読みおえた。今まで2回の雑感のまとめになりそうだが、さっそくまず、いつものようにレビューを書いておこ…

"The Land of Green Plums" 雑感(2)

相変わらず超多忙、相変わらず絶不調。おかげでこの本もさっぱり進まず、まるでカタツムリ君になってしまった。 前回同様、英語そのものはとても簡単なのだが、各エピソード、極端な場合には、ワンセンテンスの具体的な意味さえ判読しにくいことがしばしばあ…