ビンゴー・キッドの洋書日記

英米を中心に現代から古典まで、海外の作品を英語で読み、論評をくわえるブログです

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Georgi Gospodinov の “Time Shelter”(2)

今年のブッカー賞最終候補作は、前回紹介した現地の人気ランキングをもとに、上位四作を注文した。デカ本らしい "The Bee Sting" と人気薄の "Western Lane" はパス。 四冊とも手元に届くのは来月になりそうなので、それまでのツナギに Michel Houellebecq …

Herman Diaz の “Trust”(2)

ロンドン時間で21日、今年のブッカー賞ショートリストが発表された。the Mookse and the Gripes における候補作の人気ランキングはつぎのとおり(4/5は集計方法のちがいによる)。1, Prophet Song by Paul Lynch2, Study for Obedience by Sarah Bernstein3,…

Siân Hughes の “Pearl”(1)

数日前、今年のブッカー賞一次候補作、Siân Hughes の "Pearl"(2023)を読みおえたのだけど、今回も諸般の事情でレビューをでっち上げるのが遅れてしまった。Siân Hughes はウェールズ出身の作家で、2009年に "The Missing" という詩集を発表しているが、小…

Barbara Kingsolver の “Demon Copperhead”(5)

Siân Hughes の "Pearl"(2023)を読んでいる。なかなかおもしろい。 手に取ったきっかけは、先月初め The Mookse and the Gripes のブッカー賞関連のスレッドで、イギリス人の文学ファン Paul Fulcher 氏のこんなコメントを目にしたからだ。Well I have rea…

Georgi Gospodinov の “Time Shelter”(1)

数日前、今年の国際ブッカー賞受賞作、Georgi Gospodinov の "Time Shelter"(2020, 英訳2022)を読みおえたのだけど、例によって散漫な読みかたが災いし、きょうまでなかなか感想をまとめる気にならなかった。Gospodinov はブルガリアの作家で、本書は彼の…